北海道が危ない(上)

中国生まれの「反天皇」農場主が帯広で170haを取得したのはなぜか? 朝鮮総連議長らにもお披露目し…

【北海道が危ない(上)】中国生まれの「反天皇」農場主が帯広で170haを取得したのはなぜか? 朝鮮総連議長らにもお披露目し…
【北海道が危ない(上)】中国生まれの「反天皇」農場主が帯広で170haを取得したのはなぜか? 朝鮮総連議長らにもお披露目し…
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北海道は平成24年4月、水源地を売買する際、事前届け出を求める水資源保全条例を施行した。それから4年。道内の外国資本の動向を追う。

(編集委員 宮本雅史)

3月中旬の北海道帯広市。深い雪に包まれたJR帯広駅から道道216号線を南西へ約30キロ。日高山脈の麓、拓成町に入ると、戸蔦別川沿いに広大な農地が広がる。農場に沿って幅10メートルの道路が整備されている。さらに幅10メートルの作業用道路が敷設されているといい、セスナ機なら離着陸できそうだ。

農場の入り口からコンクリートの敷石が敷設されたゆるやかな坂道を登ると、左右にグリーンやグレーのバンガロー風の建物が立ち並ぶ。奥にはL字型の建物が建設中だ。関係者によると、バンガロー風の建物は1階が寝室。居間は吹き抜けで2階はロフト形式。1棟に6人は住める広さで、建設費用は1棟1500万円ぐらいだという。

従業員によると、農場ではヤマブドウやモモ、カキ、グミ、スモモなどの果樹類を育てているという。

農場の経営者(73)は、複数の企業の会長職を務める地元財界の有力者。「これまでに(東京ドーム約36個分に当たる)170ヘクタールを買収し、最終的には400~500ヘクタールまで広げ、バンガローも年内には7棟建てる。いずれはヘリポートの建設も予定している」と語る。

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昨年10月31日、この農場に朝鮮総連の許宗萬議長や議長補佐、朝鮮大学校長、同大教授、それに横浜中華街華僑連合会長らが訪れた。名目は「収穫祭」への参加だったが、実質的には農場の紹介が狙いだったといわれる。地元メディアも同席したが、記事にはならなかった。

農場の経営者は取材に天皇陛下をののしり、政府の農業政策を批判。「このままでは、日本人は食べるものがなくなってしまう。花崗岩を使った有機農法を進める。北朝鮮は花崗岩を使った有機農法をしているので一昨年、その調査に平壌に行った。朝鮮総連がおかしいというのは問題。自分たちとは同じ遺伝子だから、もっと理解していかないとだめだ」と力説し、「有機農法をやりたければ、ロシア人でも北朝鮮人でも受け入れる」と続けた。

経営者は中国・済南生まれだという。「華僑に依頼して、農場でとれた農産物を売るルートを探っている。有機農法を勉強したいのなら、中国人にもただで教える。北朝鮮も中国もロシアも関係ない。バンガローは、有機農法に関心のある研究者らのための宿泊施設にする」と強調する。

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