Hayao KawabeGetty

川辺駿のウルヴス行きにスイスでは冷ややかな目…グラスホッパーはファームチームに?

プレミアリーグのウォルヴァーハンプトンは5日、スイス・スーパーリーグのグラスホッパーからMF川辺駿を獲得したこと、今シーズン終了まではグラスホッパーでプレーする予定だと発表。スイスではこの移籍がなぜやや冷ややかな目で見られているのか。

グラスホッパーは昨年7月に『transfermarkt.de』では127万ユーロ(約1億7000万円)と伝えられる移籍金で川辺をサンフレッチェ広島から獲得。1部に復帰したクラブで選手登録が完了してから、現在26歳の同選手は公式戦18試合すべてに出場し4ゴール3アシストを記録するなどインパクトを残していた。

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しかし、そんな川辺を以前ウォルヴァーハンプトンでレンタルプレーヤーのサポート役を務めていたセイ・オロフィンジャナSD(スポーツディレクター)がそのウォルヴァーハンプトンでの練習参加に派遣。スイス紙『ブリック』はこれについて「おそらく同SDが独断で決めたようだ」と表現。

また、移籍が発表されてからは「グラスホッパーはすっかり外部に操られている」と、中国の投資会社グループ復星集団の基幹企業・復星国際が2016年に買収したウルヴスと、その創業者の1人の郭広昌CEO(最高経営責任者)の妻・ジェニー・ワングが会長を務めるChampion Union HK Holdings Limitedが2020年4月にシェア9割を獲得したグラスホッパーとの不透明な関係性に疑問を呈していた。

同国『nau.ch』は移籍の発表を受け、グラスホッパーに移籍金100万スイスフラン(約1億3000万円)が支払われながら同選手が今シーズン後半戦も残ることを「有益なディール」と評価。一方で、「カワベはプレミアリーグの同クラブでの過去を持つプロ選手の1人ではない」とここ数シーズン、ウルヴスからレンタルなどで加わった数々の選手たちとは違って、クラブが独自で獲得した選手だったことを指摘している。

グラスホッパーは近年は低迷もスイス国内最多の27回の優勝を誇る古豪クラブ。現地では、今回の川辺の移籍により同クラブはもはやウォルヴァーハンプトンのファームチームに過ぎないことをあらためて露呈するものとなったようだ。

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