中国、半導体原材料の輸入関税免除 安定生産促す
【北京=川手伊織】中国政府は29日、半導体メーカーなどが海外から調達する一部原材料の輸入関税を免除すると発表した。国内品では基準を満たせない部材が対象で、2030年末まで実施する。関連企業のコストを削減し、安定生産を促す狙いだ。
関税免除を適用する企業は、半導体の回路線幅が65ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下の演算回路やメモリーをつくる企業などだ。中国工業情報化省や国家発展改革委員会、財政省などが対象企業や部材のリストをつくる。
中国の半導体生産を巡っては、米商務省が20年12月に半導体受託生産の中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)を安全保障上問題がある企業を並べた「エンティティー・リスト」に加えた。10ナノメートル以下の最先端半導体の生産に必要な製造装置などについて輸出許可を原則出さない。中国は最先端半導体の国産化をめざすが、引き続き生産が難しい状況は続くとみられる。