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フルダミニストリー・ノート

聖書

~ 1 ~ ヨシェル95

聖書は、創造者なる神の「知恵、知識、真理の宝庫」

「直ぐな心で(ヨシェル)」、聖書に向かう者は多くの宝を見つけ、何よりも神に出会う

詩篇119:7、エペソ人6:5「真心から」、マタイ13:44-46

しかし、深く知ること「知識」をどれほど積んでも、信じ委ねる「信仰」には至らない

➞ 聖書自体が成就を証しする 真

まこと

の神の預言:聖書が聖書を解釈

神の約束の確かさ、成就の確かさ(ご自身の言葉に真実な神)

➞ 過去百パーセント成就した預言の信 憑

しんぴょう

性は、未来預言の確かさを約束:

未来の確かな希望、近未来、遠未来預言の宝庫、聖書

➞ 究極的に立証される神のすべての言葉

キリストご自身が神のご計画の「しかり」、アーメン

➞ ひな型、予型:預言的に前もって示される、未来のある出来事、本物の写し、影

その1

―使用聖書:『新改訳2017』、副読本:『一人で学べるエゼキエル書とダニエル書』―

*ダニエルの『七十週の預言』の新解釈を導入、それに準拠した解説を加えた更新部分を含む

時代背景

☆605BCE:カルケミシュの戦い

➝エジプト王ネコ、バビロン(ネブカドネツァル)に敗北

アッシリアに代わってバビロン、中東一帯を支配

☆605、597、586BCE:三回に亘るユダのバビロン捕囚

☆587-586BCE:エルサレム陥落

☆562BCE:ネブカドネツァルの死

☆539BCE:ペルシャ王キュロス、バビロン征服

➝ユダヤ人、バビロンからパレスチナに帰還、エルサレムの復興開始

中東支配勢力の変遷

☆カルデア人からメディア人へ

☆ペルシャ、ギリシャ、さらにローマに変遷

☆ノアの預言の成就 ➝創世記9:25-27

✫イスラエルはハムの子孫(エジプト➝アッシリア➝バビロン)に支配された後、

ペルシャの台頭で、セムの子孫の支配下に、その後、ヤペテ族のギリシャの支配下に

☆331BCE、アレキサンダー大王の台頭で、中東一帯をギリシャ色に

☆アレキサンダー大王の死後、ギリシャ帝国は二つに分裂

✫エジプトを根拠地とするプトレマイオス王朝

✫シリア、パレスチナを根拠地とするセレウコス王朝

☆ユダヤ人が巻き込まれる大事件勃発

✫168BCE、セレウコス王朝のアンティオカス四世・エピファネス、

ゼウス神の祭壇をエルサレム神殿内に設置

☆ユダヤ人の謀反

むほん

勃発

ぼっぱつ

✫祭司マタティアと五人の息子が反旗を 翻

ひるがえ

し、「ハシダイ(聖なる者)」の一群が加わり、

三年に及ぶ謀反の結果、マカバイ家が奇跡的に勝利

☆165BCE、「キスレウの月の二十五日」に汚された神殿、聖められ、新たに奉献

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聖書

~ 2 ~ ヨシェル95

『ダニエル書』の取り扱っている歴史と預言

☆605BCEのバビロン台頭➝165BCEのマカバイ家によるエルサレム神殿奪還の出来事

☆終末末期に至る遠未来預言

『ダニエル書』

☆605-534BCEに至る七十数年間のイスラエル史

☆ヘブル語聖書の分類では「諸書」

☆ダニエル書の焦点は「異邦人の時」、―反キリストの台頭とメシアの来臨―

☆ダニエル書はヨハネの黙示録の情報源

✫ダニエルはバビロン帝国内で預言、ヨハネはローマ帝国内で預言

✫バビロンはダニエル書のビジョンの中の第一の異邦人王国、ローマは第四の異邦人王国

☆バビロンとローマはまさに人類史の最初から最後を包括

☆ヨハネ、ダニエルの「七十週の預言」がメシアによる『新約』締結と福音宣教によって

完了した後、終末末期に都エルサレムを荒らす反キリストに破滅が下るまで、

都が異邦人によって踏み荒らされることを、『黙示録』で詳述

異邦人の時

☆キリストご自身が言及 ➞ルカ21:24

✫「異邦人の時」の概念:

アラム語で書かれたダニエル書2:4-7:28までの六章に描写

☆ダニエル書はネブカドネツァルで始まり、

反キリストの台頭とメシアの来臨で完結する人類史を描写

☆その間にエルサレムを支配することになる諸王国

1.バビロン

2.メディア・ペルシャ

3.ギリシャ

4.ローマ

5.最後の世界的王国

☆エルサレムを占拠、支配する世俗的な異邦人政府への言及、

イスラエルのバビロン捕囚から、メシアの国の到来までの人類史に及ぶ

☆新約聖書は、第四の王国時代の出来事で始まり、黙示録の預言で完結

✫『ヨハネの黙示録』は、

(1)ダニエル書2章の巨大な像の「足の指」

(2)7章の十本の角を持った「第四の獣」

(3)ダニエルの「七十週の預言」に暗示されている「艱難期」

✫(1)-(3)、これらの詳細な預言を描写

➝1967年6月の「六日戦争」で、イスラエルはエルサレムを奪還、

異邦人の時代の終幕が非常に近くなった

『ダニエル書』の構成

☆二部構成

1.最初の六章(1-6章)

✫異邦人王に与えられた未来を一瞥するビジョンとダニエルの時代の出来事

2.最後の六章(7-12章)

✫独占的にダニエルのビジョンの記録

✫反キリスト出現の背景、未来に起こる世界政府の台頭に焦点

ダニエル書の信 憑

しんぴょう

せい

☆見事に、史実に裏づけされた書

(1)ユダヤ人歴史家ヨセフス、332BCEにアレキサンダー大王のエルサレム征服時、

祭司ヤドアが、『ダニエル書』にアレキサンダー自身のことが預言されていることを示し、

感激した大王が聖都エルサレムを占領せず、解放したことを記録

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聖書

~ 3 ~ ヨシェル95

(2)1899-1917年の考古学的発掘で大宴会場の発見 ➞ダニエル書5章

(3)ダニエル書11章の預言、すでに見事に成就

(4)キリストご自身、ダニエル書から三箇所引用

(5)エゼキエル書は預言者ダニエルに三回言及

ダニエルの七十週の預言

☆9章24-27節の預言は都エルサレム復興と神殿再建の命令から

反キリストなる人物の絶滅までのイスラエル史の全容を四節で言い表した要約

☆「油注がれた者」、ユダヤ人の王の出現と、「忌まわしい...荒らす者」の出現を含む、

イスラエルの民と都エルサレムに約束された「七十週」を預言

☆この預言はすべて、キリストの初臨によって神の民イスラエルの上に成就

☆その後、エルサレムの荒廃は、世の終わりまで続く

著者ダニエル

☆ダニエル書の主張通り、信仰の人ダニエルがバビロンで神の召名を受け、

605-534BCEの間に与えられた諸預言をダニエル自身が記した書

☆ダニエルは、ユダ族のゼデキヤ王家の出、レビ族でも祭司でもなかった

☆ダニエルに関しては何も非難されることは語られていない

☆イスラエルの族長ヨセフとダニエルには多くの共通点

✫神、この二人に隠されたことを解き明かす知恵を授け、

二人とも、異邦人の中で神の忠実な証人として用いられた

☆キリスト、ダニエルの預言に言及、ダニエルがビジョンの中で用いたユニークな表現

「人の子」をご自分のこととされた

☆ダニエル、外向きにはバビロン王に仕えるしもべ、

しかし、測り知れない神のご計画の下、ダニエルを通して神の御働きが始まった

ダニエル書 目次

I. 1-6章 歴史的叙述

II. 7-12章 預言的眺望

【1】1-3章 試練のとき

【2】4-9章 時系列で追った諸出来事

(1)4章 ネブカドネツァルの回心の結果

(2)7章 四頭の獣─バビロン、ペルシャ、ギリシャ、ローマ

(3)8章 二頭の獣─ペルシャ、ギリシャ

(4)9章

11-23節 執り成しの祈り

224-27節 七十週の預言

(5)5章 ベルシャツァルへの警告の結果

(6)6章 信頼の勝利

【3】10-11章 神の手中にある未来

(1)10章 御使いの訪れ

(2)11章

11-35節 反キリストの雛型

236-45節 反キリスト

【4】12章 遠未来、その終幕