メルペイ。青柳直樹代表取締役は、「新しい本を『借りるようにして読む』という、メルカリとメルペイならではの体験を届けられる」と話す、という記事に対する意見。著者及び出版社への敬意がまったくないと考えます。不愉快です。

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同社の青柳直樹代表取締役は、「新しい本を『借りるようにして読む』という、メルカリとメルペイならではの体験を届けられる」と話す。

記事を読んで、心底驚きました。著者として、大変不愉快です。2日前に出た記事のようですが、先程初めて読みました。

以前から、新刊をアマゾンや書店で定価で買って、すぐにメルカリで売ると数百円で本が読めて便利、という話があったことは知っています。

そして、私の本が大量にメルカリに出回っていることも知っています。

しかし、著者にとって、本を書いても、原則として新刊の印税しかこないというビジネスモデルだということを、メルカリの代表取締役や参加者はどこまで理解をしているのでしょうか?

もちろん、ブックオフも以前から存在し、中古本はいくらでも市場に出回っていますから、これは今に始まった問題ではありません。ただ、ブックオフは買取価格が安いこともあり、新刊のビジネスとはある程度棲み分けがなされていました。

それが、今回のメルペイは、著者や出版社へのなんの敬意もなく、そのような使い方をわざわざ助長するような決済方法を取り入れて、それを想定ビジネスシーンとするのはあまりにもひどいです。

私はそのような使用方法を推奨するメルカリとは、これからは一切取引をしないし、講演も出ませんし、自分でも出品しませんし、また、買うこともありません。それを宣言します。

中古本で著者へ印税が入らないシステムはこれはメルカリだけの問題ではなく、ビジネスモデル上の問題なので、こちらは電子書籍など、ほかの手段で当面は補っていきたいと思いますが、メルカリのあまりの著者や出版社へ敬意のなさに、驚いて、このブログを書きました。

メルカリ関係者の方、以前イベントに出たこともあるのに、こんな苦言を呈して申し訳ありませんが、言わずにはおれませんでした。実際、私が出たイベントでも、このすぐに売る、は別の方が紹介されていて、私がいたので関係者の方が苦笑されていましよね。

いずれにしても、メルカリの本に関するビジネスモデルは著者である私とは完全に利害が対立しますので、この点ははっきり申し上げます。

そして、メルカリで売り払う読者の方も、そのことで著者及び出版社は機会損失が生じているということについても、理解いただけるとありがたいです。

補足記事もアップしました。

katsumakazuyo.hatenablog.com