シノバック・バイオテック

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シノバック バイオテック
種類
株式会社
市場情報 NASDAQ: SVA.O
設立 1999年 (25年前) (1999)
創業者 Yin Weidong[1]
本社
ウェブサイト http://www.sinovac.com/
シノバック・バイオテック
簡体字 北京科兴生物制品有限公司
繁体字 北京科興生物製品有限公司
発音記号
標準中国語
漢語拼音Běijīng Kē Xìng Shēngwù Zhìpǐn Yǒuxiàn Gōngsī

シノバック バイオテック リミッテッド中国語: 北京科兴生物制品有限公司, 英語: Sinovac Biotech Ltd.)は、中華人民共和国の医薬品メーカー。 生物製薬会社で感染症を対象として、ワクチンの研究から開発および工場生産を商業化している。北京に本社がある。

A型肝炎、A、B両方の肝炎のワクチン、インフルエンザH5N1,H1N1鳥インフルエンザワクチンを製造販売している。パンデミックに対応したワクチンの開発をおこなっており、日本脳炎ワクチンについても手がけている[2]

71種類のエンテロウイルスの開発を行っていて、広域感染症であるインフルエンザおよび、日本脳炎、狂犬病ワクチンについても取り扱っている。補助的に動物用医薬品にも進出しており、動物用狂犬病ワクチンを開発している。

新型コロナウイルスワクチンの開発[編集]

2020年9月上旬に新型コロナウイルスのワクチンの候補から臨床試験を経て、承認を経た「コロナバック」は2回の接種で90%以上の抗体が確認された[3]。従来製法の不活性ワクチンなので、インフルエンザワクチン同様に2~8℃で保管できる。

シノバック社のワクチンはCoronaVacは開発途上国の大部分にワクチンを接種するための好ましい選択肢となる可能性があり、中国に先行してインドネシアトルコブラジルで承認を得た。ブラジルでは、ワクチンの購入をめぐってアストラゼネカのワクチンを推すジャイール・ボルソナーロ大統領とシノバック社のワクチンを推すサンパウロ州知事のジョアン・ドリアポルトガル語版が対立して政治的な問題となったが、結局ブラジルの国家衛生監督庁(ANVISA)は全会一致でアストラゼネカのワクチンとともにCoronaVacを承認し、サンパウロ州政府と連邦政府は出荷が遅れているアストラゼネカよりも先にCoronaVacの接種を開始した[4]。治験データは各国でばらつきがあり、チリでは有症候性感染に有効性66%だったが、インドネシアでは94%にもなった[5]。インドネシアとトルコでは、安全性の懸念を払拭するために大統領のジョコ・ウィドドレジェップ・タイイップ・エルドアンが自ら接種し[6][7]、インドネシアではイスラム教に配慮してハラール認証も行った[8]。ブラジルにおける第3相試験での有効性50.7%が低いと取り上げられることもあるが[9]、治療を必要とする軽症患者に対する有効性は83.7%を示した[10]。また、3週間後に再接種すると62.3%に上昇した。

コロナバックは、アジア、南米、北米およびヨーロッパの幅広い国で接種に使用されている[11][12]。シノバックは、2021年4月までに年間20億回分の生産能力を有し[13]、総投与量6億回分を納入した[14]。2021年6月1日、世界保健機関(WHO)はこのワクチンを緊急使用を承認した[14]COVAXにも採用され、3億8000万回分の購入契約を結んでいる[15]

脚注[編集]

  1. ^ China’s Vaccine Front-Runner Aims to Beat Covid the Old-Fashioned Way” (英語). Bloomberg (2020年8月24日). 2020年9月5日閲覧。
  2. ^ Google Finance, url=https://www.google.com/finance?q=Sinovac
  3. ^ Zhang Zhihao (2020年4月15日). “Three COVID-19 vaccines approved for clinical trials”. China Daily. https://covid-19.chinadaily.com.cn/a/202004/15/WS5e965bb8a3105d50a3d163de.html 2020年4月23日閲覧。 
  4. ^ “ブラジル、中国・英国製ワクチンを承認 接種始まる”. 日本経済新聞. (2021年1月15日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN174AQ0X10C21A1000000l 2021年1月16日閲覧。 
  5. ^ “中国シノバックのワクチン、4つの大きく異なる有効性-信頼失う恐れ”. ブルームバーグ. (2021年1月13日). https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-12/QMTAEWDWLU6M01 2021年1月16日閲覧。 
  6. ^ “インドネシアでワクチン接種開始、ジョコ大統領が第1号”. ロイター. (2021-01-15]3). https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-indonesia-idJPL4N2JO14Q 2021年1月16日閲覧。 
  7. ^ “トルコ大統領、中国製ワクチンを接種 安全性アピール”. 朝日新聞. (2021年1月15日). https://www.asahi.com/articles/ASP1H36TDP1GUHBI03V.html 2021年1月16日閲覧。 
  8. ^ “中国製ワクチンは「ハラル」 イスラム教徒最多国で認証”. 朝日新聞. (2021年1月15日). https://www.asahi.com/articles/ASP1G3RYYP1FUHBI010.html 2021年1月25日閲覧。 
  9. ^ 中国ワクチン、有効率わずか50% 南米に動揺と失望が広がる”. www.newsweekjapan.jp. 2021年5月19日閲覧。
  10. ^ Estudo clínico que comprova maior eficácia da Coronavac é enviado para Lancet”. CNN Brasil. 2021年8月8日閲覧。
  11. ^ Indonesia starts mass COVID vaccinations over vast territory”. AP NEWS. 2021年8月8日閲覧。
  12. ^ Venustiano Carranza next up for Covid vaccination in Mexico City”. Mexico News Daily. 2021年8月8日閲覧。
  13. ^ “China Sinovac says it reached two billion doses annual capacity for COVID-19 vaccine”. Reuters. (2021年4月2日). https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-vaccine-sinovac-idUSKBN2BP07G 
  14. ^ a b WHO approves Sinovac COVID shot in second Chinese milestone”. Reuters. 2021年8月8日閲覧。
  15. ^ Chinese drugmakers agree to supply more than half a billion vaccines to COVAX”. Reuters. 2021年8月8日閲覧。

関連項目[編集]