swine influenza

By , 2009年4月26日 8:43 PM

海外でブタインフルエンザが流行の兆しを見せているのだとか。ゴールデンウィークに海外旅行を計画している方には心配な話ですね。

 豚インフルエンザ、NZでも感染疑い メキシコから帰国の25人

4月26日16時30分配信 CNN.co.jp

(CNN) ニュージーランドの保健当局は26日、メキシコでの語学学習を終えて帰国した学生22人と教員3人に、豚インフルエンザ感染の疑いがあると発表した。

25人は、オークランドにあるランギトト大学の教員と学生。メキシコからロサンゼルスを経由し、ニュージーランドに帰国していた。

オークランドの保健当局によると、25人中14人にインフルエンザ様の症状が出ているという。25人は全員、自宅から外に出ないよう指示を受けている。

はて、ゴールデンウィーク明けに日本で流行したらどうすれば良いのかと思っていたら、タイムリーに methyl 先生からメールが届きました。

 ブタインフルエンザ関連

報道では鳥インフルエンザから豚インフルエンザに一気に変わってしまいましたね。

WHOでは臨床的・ウイルス学的に複数の事例が混じっている可能性があるために今回はphaseを上げるのは今回は避けました (現在はphase3)。 phaseをあげると、ヒトや物の移動な関して制約をかけなければいけません。そこまでの証拠はあるのかという判断もあり phaseをあげるのを見送ったのだと思います。

ヒト-ヒト感染が起きれば phase4、感染爆発 (pandemic) が起きれば phase6になります。

米国などの感染症に関する関心が国家レベルだけでなく個人のレベルでも高いところは感染の封じ込めや収束への道筋が立てやすいでしょう。
(実際には感染の拡大との勝負なので、いくら良い方策でもそのカバーできる範囲を超えてしまえば感染爆発は防げません。phaseをあげて国家だけでなく国際レベルでも封じ込めをいかに迅速に実行できるかが問題となります。)

それに比べて日本では、毎シーズンのインフルエンザ対策 (ワクチン接種程度のものも含めて) や麻疹の対策も取れないのに、問題が生じた時だけトリだのブタだの言っていてお話にならない状態。
実際日本では暖かくなってきたというのにまだインフルエンザ Bが流行期です。

その上、現在有効な診断法のないブタインフルエンザ感染症に関して政府は「医療機関が診断しやすいように各自治体にブタインフルエンザの特徴についてまとめた資料を配付する」とのたまわれておられるようです。

誰が、どのような知見に基づいて診断法のないブタインフルエンザ感染症の診断法や特徴について資料を作るのでしょうか?そもそも診断法がないということすら知らない人から出た話ではないかと疑う感染症医もいるようです。

また、日本では緊急時において病院や公共交通機関の利用制限に関して一元的に権限を持つ部署がないことで実効的な対策が非常に取りにくくなっています。確かにこれではレインボーブリッジも封鎖できないわけです。

僕は新型インフルエンザのパンデミックが生じた場合は日本での感染拡大は防げない可能性があるのではないかと考えています。

現在 CDCなどから出ている情報としては
・ブタインフルエンザの抗原型は H1N1 (通常流行するA型インフルエンザウイル
ス:ソ連型と同じ)
・メキシコでとられた症例の 14検体の 7つの検体(ウイルス)は米国カリフォル
ニア州の事例と同じもの
・8人のメキシコ人患者のうち 12検体から同じウイルスが検出
など、ヒト-ヒト感染を疑わせるものもあります。

彼から教えて貰ったのですが、CDCのサイトでインフルエンザに関する情報が逐次更新されているらしいです。非常に簡単な英語ですので、医療関係者の方は見ておいた方が良いと思います。下記に紹介しておきます。

CDC -Swine Influenza-

Q & A コーナーはこちら。
http://www.cdc.gov/swineflu/swineflu_you.htm

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