名誉記者団

2022.12.23

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[神奈川=田中智(日本)]
[写真=田中智]

9月30日、韓国政府は「10月1日から入国者に対して義務付けていた『入国後24時間以内のPCR検査』を撤廃する」と発表、
続く10月19日には「11月以降の日本人に対するビザ免除制限措置を解除する」と発表しました。
これにより、遠くなっていたおとなりの国が一気にかつての「もっとも近い海外」に戻ることとなりました。

とはいえ、以前とは異なる出入国手順、必要な書類やアプリなどに不安を覚える人は多く、
渡韓に及び腰、あるいは煩わしく思っている旅行者も多いかと思います。
そこでこの記事では現在の出入国状況、手順、必要な書類やアプリ、現地での流れなど、
出発から帰国まで、渡航するみなさんへの不安解消となる情報を提供していきたいと思います。

日本出発前から帰国到着時まで順を追って記していきます。



@日本出発前

出発前に「K-ETA」「Q-CODE」の2点の登録が必要です。
登録にはスマホやPCでのネット環境が必須となります。

#1 K-ETA

これは「大韓民国電子旅行許可制度」の略称です。
無査証入国対象の国民(日本はこれに当たります)が入国する際、
ホームページに個人および旅行関連情報を事前に入力し、旅行許可を受ける制度のことです。

2021年9月1日より本格施行され、日本人旅行者は韓国訪問に当たり、かならず申請が必要となります。

PCの場合、WEBサイトwww.k-eta.go.krから、
モバイル(携帯)の場合、「K-ETA」アプリを導入し、申請します。

入力手順は「K-ETA申請マニュアル(日本語)」サイトなどで確認を。
https://japanese.visitkorea.or.kr/upload/jpn/content/K-ETA%E7%94%B3%E8%AB%8B%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E).pdf

なお申請時に手数料1万ウォン(カード決済)がかかります。

注意点;
出発の72時間前までに申請を終えることが必要です。
有効期間は「許可日より2年以内」、この期間内であれば何度でも利用可能です。

韓国入国者はかならず申請が必要、と覚えておきましょう。
(アメリカ入国時に必要な「ESTA」と同様のものと認識してください)



#2 Q-CODE

「Q-CODE」は入国に必要なすべての「予防接種情報」を保持する韓国のQRコードです。
外国人旅行者が韓国入国の際、検疫手続きを短縮できるよう事前の登録が推奨されています。

なお、「Q-CODE」の登録ができていれば、機内で配られる黄色い「健康状態質問書」を記入する必要はありません。
携帯やネット環境がないなどの諸事情がある人はこの「健康状態質問書」を提出すれば問題ありません。

注意点;
「Q-CODE」は1回の入国のみ有効で、入国手続き完了後は失効します。
再度、韓国に旅行する場合は、新たな「Q-CODE」を登録する必要があります。

検疫所はこの紙の提出でも対応可能ですが、口頭質問があることも。

検疫所はこの紙の提出でも対応可能ですが、口頭質問があることも。


@空港のチェックイン・カウンターにて

かつてのチェックインと手順は変わりありません。

稀に「ワクチン証明書」や「K-ETA」の保持を尋ねられることがありますが、
韓国到着時の混乱を避けるため、地上職員が配慮して聞いてくれているものです。

注意点;
到着時にも慌てないように、あらかじめアプリやQRコードの画面をスクリーンショット(画像)に収めて開きやすくしておくといいでしょう。

12月時点、金浦空港の到着便は少ない。訪問先でPCR検査が必要な方は空港内検査場で受けることができる。

12月時点、金浦空港の到着便は少ない。訪問先でPCR検査が必要な方は空港内検査場で受けることができる。


@韓国到着時

空港到着後の手順もかつての状態とほとんど同じ手順に戻りました。
カンタンに流れを説明していきます。

*検疫所

飛行機のドアを出て、到着フロアを歩き、「検疫所」を目指します。
かつては素通りしていた場所、SARSやMARS騒ぎの際はサーモグラフィが置かれていたカウンターです。

検疫カウンターで「Q-CODE」(前述 #2)のQRコードを読み込ませれば「完了」、そのまま入国審査場へ向かいます。
問いかけや会話もないので、拍子抜けしてしまうかもしれません。

黄色い「~質問書」提出の場合、検疫係官から2~3質問があるかもしれません。(回答状況により個人差あり)
「ワクチン接種証明書」などを求められることもありますので、手元に用意しておきましょう。

金浦空港では「検疫カウンター」が4~5か所しかないため、
自分たちのフライトだけでも行列が生じることがあります。

行列時にはベストを着たボランティアがたくさんいるのでわからないこと、不安なことは尋ねましょう。

空港リムジンバスは路線によって運休している場合あり。空港鉄道AREXは通常運行。

空港リムジンバスは路線によって運休している場合あり。空港鉄道AREXは通常運行。


*入国審査所


こちらも以前と変わりありません、韓国人用と外国人用のカウンターに分けられているので、
フライト状況、時間帯などにより、行列の量にも変化があります。

金浦空港の場合、外国人用カウンターが3~4か所しかないため、フライトが重なるとやや行列が連なります。
仁川空港の場合、外国人用カウンターは多いのですが、時間帯でフライトが重なってしまうと長めの列ができます。
(中国からのフライトがほぼない昨今はそれほど落胆的な行列はできないようです)

「パスポート提出」、「指紋スキャン」、「顔写真撮影」という手順は変わっていません。

無事入国を終えたら、ターンテーブルでスールケース(預け荷物)を受け取り、
税関(ランダムで検査されることも)を抜け、自動扉を出ると、そこは到着ロビー、待ち焦がれた韓国の地です。

あとは市内へ向かい、楽しい韓国の日々を満喫しましょう。



@帰国時

帰国前に「Visit Japan Web」の登録を完了しておきましょう。

「Visit Japan Web」は「検疫」、「入国審査」、「税関申告」をウェブ上で行うことができるものです。
特に「検疫」は登録確認され、青画面表示となれば、空港で「ファストトラック」を利用することができます。
https://vjw-lp.digital.go.jp/

事前に「検疫」の登録確認ができていないと、到着時の空港で同様の質問を入力することとなり、手間と時間がかかってしまいます。
(ワクチン接種に懸念がある方、ネット環境にアクセスできない方は空港で質問入力すれば問題ありません)

パスポートやワクチン接種証明書の画像を送信し、センターに承認を受け、「青画面」表示とならなければならないので
時間があるときにゆっくり申請をすることをお勧めします。

個人的経験ですが、入力を忘れており、帰国前日深夜に送信したものの、「青画面」表示されず、「赤画面」のまま帰国便に乗り込み、
到着時に開くと「青画面」表示されていて無事「ファストトラック」を通れた、というハラハラ体験がありました。
「ファストトラック」で到着時のメンドウな手続きを簡略化できるので、忘れずに早めの承認を得てしまいましょう。
入力は帰国時の2週間前から可能です。
https://www.hco.mhlw.go.jp/ 入力手順

「赤画面」でも問題ありませんが、無事着陸し、旅やフライトの疲れがドッと出そうなところに、
カウンターにて質問入力や証明書提出などで手間どってしまい、疲労感が割り増しになってしまうのは避けたいところです。



なお、日本到着時はこの検疫対応の混雑、混乱を避けるため、以前より到着フロアを迂回する形で歩かされます。
羽田、成田の到着を経験しましたが、入国審査場までかなりの遠回りとなるので、足腰に不安が残る方は到着時にスタッフにご相談を。

「検疫」を抜ければ、あとは「入国審査」です。

「顔認証ゲート」が増設され、スムーズにターンテーブルへ向かうことができるようになりました。

預け荷物を受け取った後は「税関」ですが、「Visit Japan」にあるQRコードで申請することができるようになりました。
(機内で配られる税関申請の書面、どちらでも対応可能です)

これにて楽しい韓国旅行は完結、おっと家に無事に着くまでが「旅」でしたっけ?

金浦空港、仁川空港ターミナル2は出発便も少なめ。仁川のターミナル1はかつての混雑状態に戻りつつある。

金浦空港、仁川空港ターミナル2は出発便も少なめ。仁川のターミナル1はかつての混雑状態に戻りつつある。


注意点;
「Visit Japan」は日本政府が行っているものなので、韓国サイドでは関係がありませんが、
LCC航空会社利用時、チェックイン・カウンターにて「ワクチン接種証明書」を持っているか、など
日本人、韓国人問わず、尋ねられる事例がありました。

別途、各LCC航空会社に確認したところ、「そのような手順は踏んでない」との回答でしたが、
出入国手順もたびたび変更があり、航空会社スタッフ、地上職員自体も混乱しているという背景もあることを認識ください。

なお筆者の体験で全日空(金浦空港)、大韓航空、アシアナ航空(仁川空港)利用時にはそのような事例は生じませんでした。

大韓航空利用時はモバイル搭乗券(QRコード)、
アシアナ航空はキオスク端末で搭乗券を打ち出したため、地上職員とも接触せずでしたので、
LCC各社の対応事例はちょっと不可思議ですが、日本到着時の問題、混乱回避のため、
空港、航空会社、職員などの判断により尋ねている可能性も否定できません。

あらかじめチェックインに向かう際、「Visit Japan」「ワクチン接種証明書」など手元に用意しておけば、急な問いかけにも対応でき、問題も少ないかと思います。

なお、本記事は11月、12月に筆者が実際に渡韓し、体験した事実に基づいて記載しています。
情勢の変化により、政府発表や法令変更、また航空会社の判断などで変更が生じる可能性もありますこと、ご認知ください。

「K-ETA」「Q-CODE」「Visit Japan」この3点の用意だけで、かつての韓国渡航と変わりはない状態になりました。

韓国リピーター、韓国Loverはモチロン、韓国初心者でもコロナ禍前と同じスタイルで渡韓できますよ!

Bon Voyage en Coree !

*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。


km137426@korea.kr