在宅勤務で急増したWeb会議。大勢の人と画面を共有し、交互に出る話者やスライドを追いかける。
終わるとぐったり疲れてしまうこともしばしばで、英語では「zoom fatigue(ズーム疲労)」という表現も生まれたほどです。
HBRによると、このズーム疲労は、Web会議で情報を画面1点から得ようとするプロセスが、スライドや他の参加者のほか、窓の外などといろいろなところに目を向けられるリアルな会議とは異なるゆえに生じるものなのだそうです。
Web会議が画期的にスムーズになる「mmhmm」
そんなマイナス面を克服して、かつありあまる機能が搭載される予定のアプリが登場しました。
そのベータ版を開発したのはEvernote創業者のフィル・リービンさん。自分が没個性的に箱詰めになっているようなWeb会議にはうんざりしていたようです。
リービンさんが自宅で118日かけて開発したというバーチャルカメラアプリの名前は「mmhmm」。
背景を自由に変えられるのはもちろん、話し手の背後にスライドや動画、ウェブブラウザやスマホのデモなどを含めることができます。
スライドを強調させたい時には、話し手のイメージを小さくしたり半透明にしたり、スライドの上に移動して重要な情報を指し示すことも可能なんです。
画面上でプレゼンターとスライドが一体化し、いろいろな調節も可能。もはやこれはリアル会議にかなり近い!
百聞は一見にしかず。こちらの動画をご覧ください。
ZoomやGoogle Meetでプレゼンテーションをする時には「自分のスクリーンを共有しなくては」「他の人にスライドはちゃんと見えているだろうか」といろいろ気を遣います。
プレゼンがうまく進んでいても、見ている側が話し手や資料を選んで目を向けなければならないのは不便で退屈です。
でも、mmhmmではこのようにスライドを背後に表示することができ、自分が邪魔になる時にはこのように小さくしたり移動したりもできるんです。
(YouTubeより翻訳引用)
mmhmmは、ZoomやGoogle Meet、YouTubeに取って代わるものではなく、併用することでWeb会議やストリーミングの体験を向上させることができるとリーベンさんは述べています。
リアルな会議のようにコラボプレゼンも可能に!
このアプリによる参加者のメリットは、なんといっても疲れる「一点集中型」の視聴からリアルに近い会議が経験できる点でしょう。プレゼンの内容もぐっとわかりやすくなります。
使い手側には、自分のイメージも含めて画面に映るものをかなり自由自在に選択、調節できるのが大きな利点です。
そして、リービンさんは将来加わる予定の機能についても触れています。
その1つである「Multiplayer機能」に感動しました。別の場所にいる人たちが同じ画面上に登場してコラボできるんです。
たとえば、自分とパートナーが投資家にプレゼンするなら2人が画面に登場して会話したり、シンクロによってそれぞれがスライドを調整したりすることも可能になるのだそうです。
The Vergeでは、ギターの先生がタブ譜を表示しながら生徒を指導する、X線画像を見せながら医者が遠隔医療を行なうなどの可能性が挙げられていました。
ウィズコロナ時代に対応する必要性が生んだこのアプリはさまざまな状況に応用できそうです。
このように画期的な「mmhmm」アプリですが、日本語で発音するのは難しいです(英語で肯定する時に言う言葉(音?)で、意味は「Yes」なので、あえて言うなら「うん、うん」のような感じでしょうか)。
こんな風だったら楽なのにと漠然と思っていたWeb会議が現実のものとなりそうです。「Web会議=Zoom」のイメージを一蹴する「mmhmm」のリリースが楽しみですね!
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Screenshot: ライフハッカー[日本版]編集部