内容説明
時代の変化に則した「ムスリムネス」を模索し続けるマドラサの試行錯誤。―緻密なフィールドワークからその多様性を描く!イスラーム共同体(ウンマ)としての越境的つながりと、近代国民国家という制度枠組みとの間でせめぎ合いながら、イスラーム復興運動は今日に続く。特に教育分野は、西欧的な政教分離原則の影響下にある国や、イスラームが国教と定められている国など、「イスラーム」の位置づけが国や地域によって様々であるがゆえ、「改革」の様相は多岐にわたる―。UAE、バングラデシュ、インドネシア、ウズベキスタン、ブルキナファソ、モロッコ、ベルギーの各事例から、学校教育などのフォーマルな領域/モスクなどインフォーマルな領域の中で営まれるイスラーム教育の多様な実態を描いた一冊。
目次
1章 アラブ首長国連邦における「イスラーム教育」科目改革に関する考察―「道徳教育」との関係性を手掛かりに
2章 バングラデシュの宗教教育改革
3章 インドネシアにおけるイスラーム教育改革―制度化されない教育の伝統のゆくえ
4章 ウズベキスタンにおけるイスラーム教育改革―イスラーム復興と「寛容な世俗教育」の連関に着目して
5章 ブルキナファソにおけるイスラーム改革主義運動
6章 村の発展を目指した「良いムスリム」を育てる教育改革―モロッコ農村観光地の事例より
7章 「健全な社会統合」のためのイスラーム教育?―ベルギーの動向に着目して
コラム 識字教育からムスリムの教育ニーズを捉える
終章 まとめ
著者等紹介
日下部達哉[クサカベタツヤ]
広島大学教育開発国際協力研究センター副センター長/准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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