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人間失格

人間失格

著者: 太宰治

朗読: 海老沢潮

総朗読時間:4時間34分48秒

ジャンル:文学・詩歌

サンプル試聴:
【内容紹介】
太宰治による小説

私は、その男の写真を三葉、見たことがある。
一葉は、その男の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、十歳前後かと推定される頃の写真であって、その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、従姉妹たちかと想像される)庭園の池のほとりに、荒い縞の袴をはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。醜く?けれども、鈍い人たち(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔をして、
「可愛い坊ちゃんですね」
といい加減なお世辞を言っても、まんざら空お世辞に聞えないくらいの、謂わば通俗の「可愛らしさ」みたいな影もその子供の笑顔に無いわけではないのだが、しかし、いささかでも、美醜に就いての訓練を経て来たひとなら、ひとめ見てすぐ、
「なんて、いやな子供だ」
と頗る不快そうに呟き、毛虫でも払いのける時のような手つきで、その写真をほうり投げるかも知れない。

※本作品中には、今日からすると不適切な表現が見られますが、作品の時代背景と著者の意図を尊重し、そのままの形で配信いたします。

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目次

  • はしがき
    朗読時間:7分35秒

  • 第一の手記
    朗読時間:31分48秒

  • 第二の手記
    朗読時間:1時間36分38秒

  • 第三の手記
    朗読時間:2時間10分57秒

  • あとがき
    朗読時間:7分48秒

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著者情報

太宰治

津軽の大地主の六男として生まれる。共産主義運動から脱落して遺書のつもりで書いた第一創作集のタイトルは「晩年」(昭和11年)という。この時太宰は27歳だった。その後太平洋戦争に向う時期から戦争末期までの困難な間も、妥協を許さない創作活動を続けた数少ない作家の一人である。戦後「斜陽」(昭和22年)は大きな反響を呼び、若い読者をひきつけた。

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朗読者情報

海老沢潮 海老沢潮

男性ナレーター

オーディオブック作品を多数朗読。
企業VP、TVCM等への出演実績多数。

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レビュー

  • 人間失格、何度読んでも素晴らしい作品です。聴くのもとても良いです。

  • 太宰だから書けるこの人生。だけども時を経た現在においても通ずる人の道、男の生き方である。

  • 懐かしくて、聞くことができました。また、聞こうと思いました。

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