50周年イヤーに突入、
ポップスシンガー郷ひろみの楽曲を紐解く
[第2回 2000～2020年代編]

（2001年11月発売のシングル曲 / 作詞：安岡優 作曲：黒沢薫 編曲：武部聡志）

TBS系ドラマ「ひとりじゃないの」の主題歌で、郷にとって渡米前最後の曲となった壮大なバラードソング。「Hallelujah,Burning Love」（2000年2月に発売されたシングル曲）のコーラスに参加したゴスペラーズのメンバーが作詞、作曲、コーラスで参加しており、2001年の「紅白歌合戦」のステージで共演して視聴者を感動の渦に巻き込みました。「この世界のどこかに あなたがいるなら 抱きしめるその人は ぼくしかいない」「離さない いつまでのあなたのそばで」などの歌詞には究極の愛が表現されていますが、その一方でニューヨークへと旅立つ郷からのメッセージと受け取ったファンも多いのではないでしょうか。

（2009年5月発売のシングル曲 / 作詞・作曲・編曲：JackPotBeats）

エクササイズDVD「HipHop ABS」のイメージソングで、男性の願望を“弾丸”のように繰り出すハイテンションなナンバー。自身のコンサートやさまざまなフェスでパフォーマンスされてきたキラーチューンであり、ファンから人気を集める近年の楽曲の1つです。スタンドマイクから放つ「ほとばしれ」のロングトーンや、パワーみなぎる高速ダンスは観るものを圧倒。この曲を歌って踊れば“タルタルだらけのBody & Soul”におさらばできるかもしれません。

（2015年5月発売のシングル曲 / 作詞：rockco. 作・編曲：原一博）

郷が還暦を迎える2015年にリリースされた記念すべき100枚目のシングル曲で、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ「プラチナエイジ」の主題歌。歌謡曲の全盛期にデビューした郷が、その魅力を広く伝えたいと原点回帰しています。「100ある願いのうち1つだけでもいいから叶えたい」というささやかな希望が込められており、歌詞には「子猫」「赤いルージュ」「砂時計」など歌謡曲にたびたび登場するワードがちりばめられています。

（2018年5月発売のシングル曲 / 作詞：康珍化 作編曲：京田誠一）

「みんなと一緒に歌って踊りたい」という郷の思いが反映された、1980年代を彷彿とさせるディスコチューン。振付稼業air:manが振り付けを手がけた“シュミシュミダンス”は老若男女が楽しめる踊りとなっており、ミュージックビデオでは郷が斬新なブルーヘアーのair:manと見せる息ぴったりのダンスに注目です。また郷の楽曲を多数手がけてきた康珍化による歌詞には、「恋は趣味」だというプレイボーイの心情が込められています。

（2020年7月発売のシングル曲 / 作詞：KOMU 作編曲：加藤裕介）

2020年にリリースされた通算105枚目のシングル曲。若い人に歌謡曲の魅力を知ってもらいたいという思いから、“ど真ん中のネオ歌謡曲”をコンセプトに制作されました。女性に翻弄される男性の恋心が描かれたアッパーチューンで、「ゴーエンストップ！ ワッツゴーイノン！」「ヘイ！ ヘイ！ ヘイ！ ヘイ！ ジッと見つめちゃ ダメダメ」といった要所要所の合いの手は、ライブで大きな盛り上がりを見せます。ミュージックビデオでは郷がリムジンやホテルを舞台にしたラクジュアリーデートへと観る人を誘います。なおジャケットの躍動感あふれる題字は郷本人によるものです。

（2021年8月4日発売の両A面シングル曲 / 作詞・作曲・編曲：SASUKE）

18歳のトラックメイカー・SASUKEとのタッグが実現。郷のキャリアを彩ってきたシングル“105”曲の中から「男の子女の子」「よろしく哀愁」「お嫁サンバ」「お化けのロック」「2億4千万の瞳〜エキゾチック・ジャパン〜」といった16曲がサンプリングされたダンスナンバーです。「ア・ア・アバンチュール本当の意味で 100・GO!・回の危険な遊び」という色気漂うフレーズや、「マ・マ・マカダミアみたいに包んであげよう僕がチョコレート」の遊び心あふれる歌詞は、つい口ずさみたくなるほどキャッチー。楽曲を締めくくるジャケットプレイからの拳を突き上げるポーズには、生涯現役のエンタテイナーを貫く決意が感じられます。

（2021年8月4日発売の両A面シングル曲 / 作詞・作曲：ダニエル・タシアン、バート・バカラック 日本語詞：川谷絵音）

アメリカのバート・バカラックとダニエル・タシアンが2020年に発表したバラード「Bells of St. Augustine」のカバーで、日本語詞を川谷絵音（indigo la End、ゲスの極み乙女。、ジェニーハイ、ichikoro）が担当。川谷が歌詞のみ提供するのは今回が初で、年齢を重ねた男性の心象風景が、セクシーさをまとった張りのあるボーカルで表現されています。郷のバラード3部作「言えないよ」「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」「逢いたくてしかたない」と肩を並べるような味わい深い1曲です。