内容説明
「人格」・「陶冶」・「経験」・「知性」・「超越」―これら教育学の主要理念をハイデガーの存在論的思考を通して脱通念化・再構成することによって、一人ひとりが“見えないもの”を感受・思惟する想像的営為の重要性を指南する。「知識の教育」に至る前提としての「人の教育」のあり方を説いた方法論的序説。「感受性」を礎とした、自己と他者との共存性に向けて―。
目次
序論 自己創出への支援
1 何が「人格」と呼ばれるのか―ペルソナの歓び
2 何が「陶冶」と呼ばれるのか―人の自己創出
3 何が「経験」と呼ばれるのか―人の自然の想像力
4 何が「知性」と呼ばれるのか―見えない全体を象る
5 何が「超越」と呼ばれるのか―想起される歓び
結論 教育の理念を象る―犠牲の機制を離れて
著者等紹介
田中智志[タナカサトシ]
東京大学大学院教育学研究科教授。専攻:教育学(教育思想史・教育臨床学)。1958年、山口県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程単位取得満期退学。博士(教育学)東京大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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