内容説明
無作為抽出によって選ばれた市民たちによって行われる市民討議会―ミニ・パブリックス―に継続的に取り組んでいる愛知県西春日井郡豊山町、愛媛県伊予市。両自治体の事例と玉川まちづくりハウスの活動事例(コミュニティ・デモクラシーに基づくコミュニティ・マネジメントの実践活動)を通して、現代社会にはコミュニティ圏域における多様な市民による熟議の『場』が重要であることを提唱し、ミニ・パブリックスの制度化と熟議システムのマネジメントが、都市内分権による地域自治制度と合わせてこれからのコミュニティ政策に求められることを指し示す。
目次
序として 人は話し合うことを求めている(熟議民主主義の視点からコミュニティ政策を考える;熟議民主主義とミニ・パブリックス ほか)
1 熟議民主主義におけるミクロ‐マクロ媒介問題(ミクロ‐マクロ媒介問題とは何か;熟議民主主義の包括性について ほか)
2 共同主観性から生まれるコミュニティ・デモクラシー(「信頼」によってつながるコミュニティ;共同主観性をはぐくむコミュニティ診断ワークショップ ほか)
3 コミュニティ・マネジメントを実現するコミュニティ政策(熟議の『場』としてのコミュニティ;「あなた」から「わたしたち」を生み出すコミュニティ圏の熟議 ほか)
まとめ やっぱり僕は、ハンカチ落としがしたい!(高校時代の疑問;熟議の『場』を生み出すために ほか)
著者等紹介
伊藤雅春[イトウマサハル]
明星大学常勤教授、(有)大久手計画工房主宰、(特)玉川まちづくりハウス運営委員長、コミュニティ政策学会事務局理事、世田谷区街づくり専門家。名古屋工業大学建築学科修士課程修了後、千葉大学自然科学研究科人間・地球環境科学専攻博士課程修了、博士(工学)。平松建築設計事務所、松本嘉雄建築研究所、東京工業大学工学部社会工学科非常勤講師、愛知学泉大学コミュニティ政策学部教授を経て現在に至る。1991年より日本各地でまちづくりワークショップを展開、現在は熟議民主主義とコミュニティ政策をテーマに世田谷区玉川地域でコミュニティ・マネジメントの実践に取り組んでいる。1956年愛知県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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