内容説明
一生を通した「学び」が増えたが、ウェルビーイングには届かない!―。医療技術の進歩などにより「人生100年」の時代が目前に来ている。高齢者福祉や少子化、労働・生産人口減などの制度的問題がしばしば取り沙汰されるが、健康寿命が延びることは人生を豊かにする新たな価値と共に不安も生み出しもしている―。オンライン教育の普及など、社会人や定年退職者に向け多様化する「学び直し」教育についての意識調査や具体事例について検証し、転職が難しい実態を明らかにするとともに、抑制要因や社会格差といった負の制度的側面をも浮かび上がらせた長年にわたる研究成果。
目次
「学び直し」言説の誕生と変節―平等化言説から市場化言説への転換
第1部 「学び直し」の基本的視点―教職をめぐる日・英の制度的・文化的比較から(日本の教師の「学び直し」―資質・能力向上を目指す現職研修のあり方;イギリスにおける教職への「学び直し」―転職を促進する制度と文化)
第2部 地方中小企業で働く人々に見る「学び直し」意識の諸相―人々の諸特性による多様性(「企業人」の学びに関する意識・態度・経験―ワークライフバランスから学びを考える;企業人の「学び直し」意識―学歴による格差に迫る;企業人の「学び直し」とジェンダー―高学歴女性の意識を探る)
第3部 現代日本の個人史に見る「学び直し」と「人生の創り直し」―軌跡と展望(「学び直し」とパースペクティブの変容―大学・大学院進学の経験から;越境の経験と「学び直し」―三つの物語から)
著者等紹介
今津孝次郎[イマズコウジロウ]
星槎大学大学院教育学研究科教授・名古屋大学名誉教授・愛知東邦大学名誉教授
加藤潤[カトウジュン]
愛知大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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