夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』中級 第一篇 序論 第七節[対象の多様性と意識の多様性]

2023年05月24日 | ヘーゲル『哲学入門』

 

ヘーゲル『哲学入門』中級 第一篇 序論 第七節[対象の多様性と意識の多様性]

§7

Das Bewusstsein ist die bestimmte Beziehung des Ich auf einen Gegenstand. Insofern man von dem Gegenstande ausgeht, kann gesagt werden, dass es verschieden ist nach der  Verschiedenheit der Gegenstände,  die es hat.(※1)

第七節[対象の多様性と意識の多様性]
  
意識とは、対象に対する「私」の規定された関係である。人が対象を起点とするかぎり、意識のもつ 対象の多様性に 応じて、意識はさまざまに異なるといえる。


※1
意識の対象は、主に私たちの視覚を通して認識される。桜の花を見れば、花が私たちの意識の内容になるし、海を見れば、海が私たちの意識の内容になる。対象が私たちの意識を規定するという、対象と「私」の相互的な関係にある意識(これが本篇の主題である)の一面について、きわめて自明の事実を述べている。

 

 


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2 コメント

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錦の御旗マルテンサイト千年 (グローバルサムライ)
2024-03-07 17:20:53
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズムにんげんの考えることを模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。なにかしら多神教的で日本的ななつかしさを感じさせるなにかによって。
ビジネスコミュニケーション (イノベーション関係)
2024-03-18 17:08:19
リベラルアーツはよく多神教的なギリシャ哲学を中心にまとめ上げた学問体系を示すが、いつの間にか一神教的なパッケージとなってしまっている。そのくらいなら、日本の古典なども見直したグローバルな多神教学みたなものから新たな哲学はうまれる可能性はありえないのだろうか?

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