防衛省・自衛隊OB天下り14社、辺野古工事受注


この記事を書いた人 田盛 良一

 【東京】2013年12月~15年11月末までの約2年間、防衛省が米軍普天間飛行場の辺野古移設の関係で業務や工事を契約した65社のうち、少なくとも14社に防衛省や自衛隊OBが再就職していたことが明らかになった。中谷元・防衛相が参院決算委員会で、又市征治氏(社民)の質問に答えた。一方、防衛省によると、中谷氏が答弁で明らかにした14社は、職員らが退職後2年間に再就職した業者の数で、2年が経過した後に就職した場合は含まれておらず、実際にはさらに膨れ上がるとみられる。

 中谷氏の答弁によると、13年12月~15年11月までの間、防衛省は92件、約697億円の工事や業務を65社と契約している。契約金額の約8割が一般競争入札で、約2割が随意契約などで結ばれた。中谷氏は「工事の手続きは関係規則にのっとって、再就職の実績とは関わりなく適正に行われている」などと説明した。
 防衛省の規則では、退職後2年間のうちに再就職した場合、利益の誘導を避けるために、同省の事前審査を受ける規定となっている。防衛省はその事前審査の記録を過去10年間にわたってさかのぼった結果、14社に再就職が認められたとしている。だが退職後2年以上が経過した場合の再就職については報告義務はなく、同省も公表していない。
 一方、琉球新報の取材によると、辺野古移設事業を受注した企業には、今回公表された14社のほかにも、防衛省・自衛隊OBが再就職している企業や財団があることが分かっている。こうした再就職者は勤務先で「防衛省業務は特殊な技術が必要」といった理由で、顧問などの役職に従事していた。
 防衛省・自衛隊の退職者が再就職した事実があるかについて、個人情報などを理由に回答を拒む企業もあり、同省OBの再就職の状況と移設事業の受注の関連は不透明なのが実態だ。
英文へ→Former MOD and JSDF officials employed at companies involved in Henoko base construction