内容説明
芸術経験のインディビジュアリティを教育実践にどうつなげるか?芸術経験は本来的に、個々人の美的感覚や想像力に依拠している。そのため芸術の教育は、教えないことで子どもの自由な表現を尊重するのか、教授目標として設定できる技術・知識を教えるのか、の二者択一論で展開されてきた。本書は、デューイの芸術哲学を出発点として20世紀前半からの芸術授業の展開を追うことでこの課題を再考し、二者択一を超えた新たな授業構成の枠組みと、オルタナティブな教育実践のあり方を示す。「美的経験」そのものを目指す授業へのパラダイム・シフトの方法を示唆した労作。
目次
緒論
第1部 芸術に根ざす授業構成に関する理論的研究(芸術の授業構成とデューイの芸術教育哲学;「創造的音楽」における「発生的方法」;「美的教育」プログラムと美的教育論;「鑑識眼と批評」による芸術の授業構成と評価;「美的教育」ワークショップにおける学び)
第2部 芸術協同実践の創造(「発生的方法」による芸術表現教育の構成と評価;「美的教育ワークショップ」の学校教育における展開;教室空間における芸術協同実践の創造;「鑑識眼と批評」を原理とした授業パラダイムの転換)
結論
著者等紹介
桂直美[カツラナオミ]
1960年、山口県生まれ。三重大学教育学部講師、同助教授、同教授を経て、2009年より東洋大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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