耳かき工房さんの「耳かき旅館猫屋敷」新作。
今作は過去作よりも大人びたヒロイン。

上手く言葉で書くのが難しいけれども、ここのサークルさんの作品は聴いていて他のサークルさんには無いやさしさと柔らかさがある。
過去作でもそう感じたが、今作でもそのやさしさと柔らかさはそのままだった。

こういう他のサークルさんに無いものがあるからこそ、同じような作品が多く出回る耳かき音声作品においてもそれなりの高評価を得ているのではないかと思った。

猫屋敷シリーズ第三弾。今回は新たな担当の丑緒さん。
落ち着いているようで活気な雰囲気を纏うお嬢さんです。
聞き手とは昔馴染みの間柄なので、口調が砕けているのがすごくいい。

季節は巡り、冬となり温泉街も雪化粧。
ちょっとした散策だけでも、冬の野外の雰囲気を楽しむことができます。
お宿に移っておもてなしパート。今作にも耳かき工房さんの特徴と感じている「語り」部分は健在。
会話の中に自然と情景を思い浮かばせるようなフレーズを混ぜた語りと囲炉裏のパチパチとする音で、臨場感がさらに上がります。
そして相変わらず会話でお腹も空かせてきます。今夜は鍋じゃ。

七瀬真結さんのか細いながらも活気さや悪戯好きさを感じる演技もよきかな。
おもてなしはしっかりと行いつつも、緊張感を思わせないおしゃべりのトーンのおかげかこっちの肩の力も抜けてきます。
またサービス内容も触れ合うものがメインなためか、距離感がめちゃ近く感じるのもよかったです。

シリーズの例にもれず、安心安眠かつ語りによる没入感を突き詰めておられます。
ゆったりした雰囲気をお求めの際には猫屋敷へお越し下さい。



以下、ちょいとメタいお話。
「ミルクの牛じゃないですー」とは言ってますが、猫屋敷の女将さんの命名法則的にはそうな気がしてならない。
でもそれを言うと背中をばっしばし叩かれそうです。むしろ叩いてほしいので誂う次第。
それと続けば12+1人のおもてなしが受けられるのか?そんな楽しみにしてる1ユーザーの妄想ごとでした。

新作は新しい女の子に癒してもらえるお話です。
別の女の子なので過去作を聞いてなくても楽しめます。

聞き手とは昔の同級生だったようで、最初以外はかなり砕けた態度で話してくれます。
数年ぶりの再会とは思えないほど本当に親しい感じなので、旅館の仲居さんというよりは恋人と接しているみたいな雰囲気で楽しめます。
ASMRとしてもカイロを取り出す音や足跡、鳥の何越えや囲炉裏の音などの環境音なども山ほど入っているので文句なく楽しめます。

とにかく安定したクオリティを保った作品です。耳かき音声大好きな人にはもちろん、聞いたことないという人にも聞いてほしい作品。
というか過去シリーズもそうだけどこの内容で300円は安すぎる…。

猫屋敷といいつつ猫成分は薄いです。
猫の生ボイスまみれかなと思ったらそんなことはありませんでした。
もしかして聞き手が実は猫の可能性が…?

七瀬真結さん演じる「丑緒(うしお)」さんはおっとりしたちょっと独特の間で話すのが印象的なお嬢さんです。

導入部から耳かきパートまでの間結構長めの散策パートがありますが、積雪を踏みしめるシャクシャクとした音がおもしろ心地いいです。

囲炉裏の音は実際のそれを聞いたことが無いのですが、炭火の爆ぜるガラスのような硬質で澄んだ音とはまた違う、良く乾いた木材を緩やかに燃やす時の音がして、なんだかそれっぽいです。

耳かき音自体はコリコリコソコソと乾いた音で耳を心地よく刺激します。
寝落ち用にも実用充分です。

実際にある旅館で耳掻をしてくれるのは私は存じ上げませんが、それがあるのがこの作品です。
寒い雪道の散歩の音。それを温めてハンドマッサージしてくれる音が短い時間ながらも気持ちの良い音でした。それに爪も切ってもらえます。なんだか照れます。
次は耳掻きに移り、ハンドマッサージからの耳掻きの気持ちのいいコンボに寝てしまうこと間違いなしです。

丑緒ちゃん(CV:七瀬真結さん )と貴方は元同級生。久しぶりに出会って、距離がじわじわと近くなってくるのがとても可愛い。

お手手マッサージの恋人繋ぎなどが特にでれポイント。

懐かしい同級生を前に少し浮わついたような、照れが混じっているような…アドリブのような声の揺らぎが魅力的。

室内で揺らめく囲炉裏
外からは伝わる自然の音…
豊かな環境音も相まってゆったり寝れる逸品です