名誉記者団

2022.11.25

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[神奈川=田中智(日本)]
[写真=田中智]

韓国リピーターが「ヘンだなあ」と思っている日本製の韓国語、韓国初心者が現地で使ってハマる和製韓国語などを紹介します。

あくまで「語学」的お話ではなく、旅行ネタ、旅のオモシロ話なので、語源、発音、表記などはご容赦くださいませ。

旅行中に焦らないように、まずは「食べ物編」。

焼肉でもチゲが添えられるのか韓国スタイル

焼肉でもチゲが添えられるのか韓国スタイル


*チゲ

韓国に行ったことがない人でも知っている韓国料理の代表選手「チゲ」。

日本でも認知度が上がり、「チゲ」=鍋のことを指すことはかなり浸透してきています。
そのせいか「チゲ鍋」なんて表記されたメニューはグンと減り、
テレビでも「おすすめチゲ鍋!」なんて言わなくなってますよね。

とはいえ街角やネット広告には「チゲ鍋定食」や「キムチチゲ鍋」なんて堂々と書かれたものもいまだチラホラ…

「チゲ鍋」=「なべなべ」のような同じワナに陥っているのが「ハングル文字」という言葉。
「グル」には文字の意味もあるので、これだと「もじもじ」になっちゃいます。

出店の店先はいつも魅力的

出店の店先はいつも魅力的


話のタネに韓国から離れて紹介しますと、
「サハラ砂漠」 =「さばくさばく」
「サルサソース」=「そーすそーす」
「マグカップ」 =「かっぷかっぷ」なんてモノもあります、日常でもつい使っちゃってますよね。

「あ~、チゲ鍋食べたい!」ってやっぱり言っちゃいます?

バンチャン(おかず)が並ぶ店先は眺めるだけでも楽しい

バンチャン(おかず)が並ぶ店先は眺めるだけでも楽しい


*チャンジャ

日本でもご飯やお酒のお供に定番化してきている「チャンジャ」。

韓国旅行の際、韓国の友人に「お土産に『チャンジャ』を買いたい」と告げたら、「『魚の内臓』買ってどうするの?」と真剣に不思議がられた実体験があります。

「チャンジャ」という単語は、韓国語で「内蔵」という意味で、日本人がイメージするコチュジャンを和えた「アレ」は韓国では「塩辛」を指す「チョッカル(ジョッカル、またはジョッ)」と呼ばれるのが通常です。

セウ・チョッカル各種と定食屋の店先メニュー

セウ・チョッカル各種と定食屋の店先メニュー


「具材」に「チョッカル(ジョッカルまたはジョッ)」をつけ、「オジンオ・チョッカル(オジンオ・ジョッ)」=イカの塩辛。「セウ・チョッカル(セウ・ジョッ)」=エビの塩辛・テジクッパなどに添えられる白いアミの塩辛。「グル・チョッカル(グル・ジョ)」=牡蠣の塩辛、という感じで呼ばれています。

タラ(明太子の親ですね)の内臓を塩辛にしたものが「チャンナン・ジョッ」と呼ばれ、どうやらこれが海を渡り、訛ったのか、音が変わったのか、「チャンジャ」に。ですので「チャンジャください!」というとタラの内臓の塩辛が出ると思ってください。

これも充分においしくてご飯が進みますけどね。

日本式だと「海鮮チヂミ」、韓式だと「ヘムル・パ・ジョン」「ヘムル・ジョン」

日本式だと「海鮮チヂミ」、韓式だと「ヘムル・パ・ジョン」「ヘムル・ジョン」


*チヂミ

家で作って食べたり、コンビニで買ったり、すっかり定着している「チヂミ」。

これぞ和製韓国語の代表選手、といっても過言ではありません。なにしろ「『チヂミ』食べたい!」と韓国の中心で叫んでも口にするのはムズカシイ~~。

韓国版お好み焼き「チヂミ」は「パジョン」と呼ばれています。
「パ」=ネギ、「ジョン」=焼き、ネギが入った小麦粉の焼きもの、と称されます。(「ジョン」は小麦粉をまぶし、油で炒めた食べ物の総称を指しますがここでは「焼き」と記します)

「チヂミ」の語源は慶尚道地域の訛り「チヂム」からとか、朝鮮系の在日の人々から広まったとか、諸説ありますが、現在の韓国で通じないことは確かです。

食べたい場合は、「ヘムル・パジョン」=海鮮ネギ焼き、「キムチ・ジョン」=キムチ焼き、などを探しましょう。

回基(フェギ)パジョン通り の名物「パ・ジョン」

回基(フェギ)パジョン通り の名物「パ・ジョン」


ちなみに韓国には「雨の日にはパジョンとマッコリが食べたくなる」という言葉があり、現代でもこの言葉がよく口にされます。

「雨音がジョンを焼く音に似ているから」「雨で出られないので家の余りものでジョンを焼く」「低気圧で血糖値を上げるため」などこちらもいろいろな説があります。

また三国時代以前から庶民、農民にマッコリが親しまれていたので、雨天で農作業や仕事ができないからこいつで一杯やってやり過ごした、ともいわれています。

また韓国の中心で叫ぶ場合は「パジョン、食べたい!」でお願いします。 あるいは明洞ならば、日本語表記で「チヂミ」と書いているお店もあるので、こちらにぜひ。

マッコリはヤカンじゃなくちゃ。居酒屋の店先にはできたて「ジョン」が並ぶ

マッコリはヤカンじゃなくちゃ。居酒屋の店先にはできたて「ジョン」が並ぶ


*ホット

意外とシンプルな言葉ですが英語の「ホット」(熱い、暑い)。

日本同様、韓国でも常用され、すでに「母国語」に取り込まれてます。こちらはもうズバリ「日本英語」と「韓国英語」の発音の違い、この差の大きさに日本人旅行者は愕然としちゃいます。

韓国ではカフェなどのエアコンはガンガンに効かせてるので熱いコーヒーがほしくなります。そんなときは「ホット」ではなく、「ハッ」と発音し、注文を。「ハッ・コーヒ!」、と勇気をもって思い切り言い切ることが大事です。(なお、アイスはそのまま「アイス」です・笑)

韓国はカフェ天国 。コンビニコーヒーもオススメ

韓国はカフェ天国 。コンビニコーヒーもオススメ


おまけですがアジア全般、「コーヒー」は「コピー」と告げると通じやすかったりします。韓国でも「ハッ・コピー、ハナよ~(ホットコーヒー、一つください)」なんて感じで、イケることも。

字面を読み込んでしまう「きまじめ・のんびり」日本式から、音で感じる「せっかち」韓式にチェンジ、教科書通りでなく、現地の人の口真似が早道!

不慣れな韓国語も口にしてみれば、どんどん身近になっていきます!

「ハッ・バー」にはいろんなスタイルがあります

「ハッ・バー」にはいろんなスタイルがあります


他にもありますが、仲間内での笑いばなし、韓国旅ネタとして定番をあげてみました。みなさんの食卓、カフェのひと時の憩いになれば・・・

*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

km137426@korea.kr