コンテンツにスキップする
Subscriber Only

マスク氏、台湾・中国巡り独自提案-ウクライナ「和平」で物議後

更新日時
  • 台湾に特別行政地域を設けてはどうかと提案-FT掲載記事
  • 香港に対するよりも寛大な取り決め結べる可能性はある-マスク氏

テスラスペースXを率いるイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は数日前、ロシアに侵攻されたウクライナに対する「和平プラン」をツイートし同国のゼレンスキー大統領から反発を招いたが、今度は緊張が高まる中国と台湾の関係を巡り独自の「解決策」を提示した。

マスク氏がウクライナの「和平プラン」ツイート、大統領ら強く反発

  英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が7日掲載したプロフィル記事によると、マスク氏は中国が自国領土の一部と見なす台湾について、「合理的に受け入れ可能だが恐らく誰もが喜ぶわけではない特別行政地域を検討してはどうか」と提案し、「香港に対するよりも寛大な取り決めを結べる可能性は多分あると思う」と続けた。

  テスラは上海に自動車工場を持つだけに、このようなコメントは無視できない。ビジネスで複雑な利害関係を世界中に持つ富豪が外交について公に発言するリスクが浮き彫りになった格好だ。スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」はウクライナで同国の防衛に欠かせない資産になっているが、同サービスについて中国当局は、同国で事業展開しないようマスク氏に確約を求めたとも同氏は話した。

  台湾を巡るマスク氏のコメントは米政権の政策とも一致しない。バイデン大統領は先月、「前例のない攻撃」があれば米軍は台湾を防衛すると表明。その一方で、米国の「一つの中国政策」は変わっていないと強調した。

バイデン氏、米軍は台湾防衛と表明-「前例のない攻撃」あれば 

  台湾の大陸委員会副主任委員、邱垂正氏は8日のテキストメッセージで、マスク氏からの「投資の利害に基づき民主主義国を特別行政地域に転換するという」提案を台湾が受け入れることはないとコメント。地域の民主政治と世界のテクノロジーおよび経済における台湾の重要な役割は商業取引の産物ではないとも述べた。

原題:Musk Turns His Diplomatic Gaze to China-Taiwan From Ukraine (1)  (抜粋)

 

(台湾当局者のコメントを最終段落に加えて更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE