ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2018-J-2

量子コンピュータが共通鍵暗号の安全性に与える影響

清藤武暢、四方順司

近年、量子コンピュータや、それに耐性を有する耐量子計算機暗号の研究開発が活発化している。量子コンピュータが実現すると、現在主流の公開鍵暗号(RSA暗号等)はもはや安全ではなくなることが知られている。共通鍵暗号については、これまで量子コンピュータの影響を受けにくいと考えられてきたが、近年、一部の暗号利用モードに関して、量子コンピュータによって現実的な時間で解読する手法が提案されている。本稿では、量子コンピュータが共通鍵暗号の安全性に与える影響を、最新の研究動向に基づき整理する。そのうえで、共通鍵暗号の安全性低下に対して、金融機関がどう対応していくべきかについて考察する。

キーワード:暗号利用モード、共通鍵暗号、耐量子計算機暗号、量子コンピュータ


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