ハードウェア

Windows 98マシンは2017年現在でもまだ現役で使うことはできるのか?


1998年に登場したWindows 98およびその改良版のWindows 98 Second Editionは、当時としては卓越したマルチメディア性能や安定性の高さなどが評価され、Windowsにおける名作OSの一つと数えられています。そんなWindows 98は誕生からほぼ20年が経った2017年でも問題なく使えるのか、そんなことを検証したムービーが公開されています。

Can you use a windows98 computer in 2017? - YouTube


今回の動画は、古いハードウェアやゲームのレビューを行っているYouTubeチャンネル「Oldtech81」で公開されたもの。このチャンネルではSEGAメガドライブやスーパーファミコンといった古いゲーム機や、Windows 3.1を使ったレビュー動画などが公開されています。

Oldtech81 - YouTube


今回用意されたマシンは、コンパックの「Armada e500」と呼ばれるモデル。CPUはPentium 3でクロック周波数は500MHz。128MBのRAMと20GBのハードディスクを搭載するモデルで、2001年に製造されたモデルとのこと。


前面には、3.5インチフロッピーディスクドライブとDVDドライブを内蔵。


右サイドには拡張用のPCカードスロットとマイク入力、ヘッドフォン出力端子を持ち、イーサネット端子とモデム端子、赤外線受光部を備えるほか、ビデオ出力(コンポジット出力)端子を備えるという充実のモデル。


背面には電源端子、USB端子、シリアルポート、VGAポート、ドッキングステーション用の専用コネクター、プリンターポート、PS/2端子をレイアウト。巨大な端子がズラッと並ぶ様子に時代を感じます。


左サイドに内蔵されるバッテリーは四角い交換可能なタイプ。発火することでリコールの対象になっていたモデルですが、問題ないことをチェック済みとのこと。


驚いたというのが、コンパックを買収したHPが2017年2月現在でもArmada e500のサポートページを提供しているという事実で、各種WindowsやMS-DOSのインストールディスクもダウンロードできるようになっていたそうです。


残念なのは、搭載する液晶ディスプレイに不具合があって、緑色の線が出てしまう状態だったとのこと。


そのため、外部液晶ディスプレイを用意して検証にあたりました。


また、ヒンジ部分が劣化しており、ある程度パネルを傾けると「ぱたん」と開いてしまう状態になっているようです。


OSを立ち上げた画面。アスペクト比4:3のディスプレイと、背景透過ではないアイコンの文字部分に懐かしさを感じます。


コントロールパネルを開いてみたところ。今でいう「クラッシックスタイル」の画面テーマも、当時は最先端なものでした。


マシンの動作はサクサクしていた様子。まれにウインドウのレンダリングに引っかかるような様子を見せますが、おおむね良好な状態を保っているようです。


検証用に最新のブラウザをインストール。とはいえ、このバージョンで選択できたのは、Internet Explorer 6でした。


なお、今回の検証にあたっては、Windows 98とWindows Millennium上でWindows2000/XPのアプリケーションを動作させるための互換レイヤー「KernelEx」をインストールしてあるとのことです。

KernelExをインストールしておいたこともあり、Mozillaのメールソフト「Thunderbird」は問題なく動作。メールの作成から送受信までも問題なくこなしている様子。


オープンオフィススイートの「OpenOffice」も動作が可能。文書作成ソフトではイラストも問題なく扱えているようです。


表計算ソフトの動作にも問題はなさそう。ファイルの読み込みや保存も特に問題はなかったようです。


ただし、PDFの読み込みには少し問題があったようで、PDFビューワーソフト「PDF-XChange Viewer」を使うことで問題を回避しています。


音楽の再生ももちろん問題なしとのことで、画面は今や懐かしい音楽再生ソフトの「Winamp」。。


音楽を聴きながら文書を作成するマルチタスキングも問題はなさそうです。


動画再生には、現代のプレイヤー「VLC」を採用。無料でさまざまなフォーマットに対応するプレイヤーで、動作が軽いので古いマシンでも使うことが可能です。


HDクオリティはマシンスペック的に厳しいようですが、動画の再生そのものには問題なし。今から見るとかなり貧弱なスペックに見えますが、当時は誰もがこのようなマシンを問題なく使っていました。


しかし、インターネットの閲覧には問題が少なくない模様。Internet Explorer 6では開くことができないページが多かったため、別の新しいブラウザを探す必要に。


そこで選んだのが、Opera 11。2017年2月末現在の最新バージョンは「Opera 43」なので、かなり昔のバージョンであることがわかります。


Internet Explorer 6でサイトを開くと、右フレーム画面が白く表示されてしまいますが……


Opera 11だと、本来の表示が行われています。また、ページ内のテーブルレイアウトもOpera 11の方が正解に近いとのこと。


Redditを開くと、フォントが少し妙な感じはするものの、おおむね問題なく表示されているそうです。


問題は、Facebookのページを開いてみた時。ログイン画面は表示されますが……


いざメインページを開こうとすると真っ白のまま固まってしまったとのこと。これは、128MBというメモリ搭載量によるもので、現代のFacebookページが求めるメモリ量に全く達していない状況。そのため、大量のスワップが発生してまともにページを表示するどころの話ではなかったようです。


結局、Facebookの表示は断念することになりました。


Gmailのページを開くことも不可能だったとのこと。


しかし、HTMLのみの軽量版のGmailだと閲覧できたそうです。


YouTubeは、ページ自体は開くものの、動画の再生はままならない状態。


そのため、VLCにYouTubeのURLを入力して再生できる「ネットワークストリーム」機能を試してみたのですが……


再生できない模様。これはどうやらVLCとKernelExの相性に起因している模様。


そのため、最終的にYouTube動画をダウンロードして再生を試してみることに。


方法としてはグレーな部分がありますが、とにもかくにもダウンロードした動画の再生には成功したそうです。


当時のゲームをプレイすることは、当然ながら問題はなかった様子。


3Dグラフィックを使った「Carmageddon」や……


まさかのドット絵・見下ろし画面の初代「グランド・セフト・オート」もプレイ可能。


FPSゲームの草分け的存在「デューク・ニューケム 3D」や……


同じくFPSの名作「Quake」もプレイ可能。


カーアクションゲーム「デストラクション・ダービー」もガンガン当たりながらプレイできているようです。


検証を行った結果、「Windows 98は2017年でもメインPCとして通用するか」という問いには「YES!」との答え。KernelExのインストールや、可能な限り最良のソフトを探す手間は欠かせないようですが、簡単なブラウジングやメールの送受信、音楽の再生、そして最新版でないゲームであれば、十分に今でも通用するという結論に達しているようです。ただし、公式のサポートははるか昔に終了しているので、セキュリティの面の脆弱性が高く、いわゆる「穴だらけ」の状態ともいわれているため、インターネットには接続せず使う・USBメモリなどでデータ交換を行わないことが勧告されているという点は注意が必要です。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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