内容説明
第一次世界大戦終結前後に、ヴェーバーが残した予言を羅針盤とし、その後百年にわたる検証とその社会理論の軌跡をたどる航海へ―。シュッツ、ハイエク、パーソンズ、尾高朝雄、フッサール、ハーバマス、ルーマン―20世紀以降、社会をめぐる諸理論を展開してきた先人たちの視角は、科学技術が発展しヴァーチャルとリアルの境界が薄れつつある現代社会、あるいはAIが人間との境界を薄れさせうる未来社会においていかなる意味を持つか。世紀を跨いだ数々の社会理論を辿り、現代と未来を見据えた温故知新の社会理論の航跡、百年。そして、日本はどこへ行くのか?
目次
問題 昨日の世界―ヴェーバーの予言
第1部 社会理論の始まり―ヴェーバーへの問い(「生」という主題―一九二〇年代の草稿;『社会的世界の意味構成』;ハイエクとシュッツ―自生秩序とレリヴァンス;パーソンズとシュッツ;尾高朝雄のウィーン―上層智識階級と国家学)
第2部 社会理論の哲学基盤―知られざる理論史(プロテスタンティズムの倫理と多元的現実―「真理」との訣別 レリヴァンス論成立史;プラグマティック・モティーフ―一九三六、七年の草稿群から;エドムント・フッサールとの出会い―哲学のある社会科学者;意識哲学の言語論的転換と生活世界―ハーバマスとシュッツ;ニクラス・ルーマンのウィーン―意識哲学のシステム論への変換;生活世界の諸構造―素描の構図)
第3部 現代社会理論の基礎―未来社会論(社会的世界の収縮と拡張―peer‐to‐peerの帰結;自生的レリヴァンス―ポスト・ヒューマン・ソサエティのレリヴァンス)
結論
著者等紹介
森元孝[モリモトタカ]
博士(文学)。1955年大阪生まれ。2007年早稲田大学文化構想学部社会構築論系教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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