内容説明
街の小さな食堂でアルバイトとして働くうら若い女性は、春には中学三年になるという冬に母をなくし、以来、妹二人と父との家庭を整える主婦代わりをしてきた。高校を卒業して三度めの五月、声をかけてきた大学生がいた。ちょっとした偶然の重なりがもたらす死。幾つかの些細とも言える状況によって選択し、迷いながらも生きてゆく人々。どこにでもある若者の恋。市井の人々を慈しむ眼差しがここにある。
著者等紹介
松永澄夫[マツナガスミオ]
1947年生まれ。東京大学名誉教授。哲学を創造する年刊誌『ひとおもい』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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