内容説明
大学改革研究に新たなモデルを吹き込んだ画期的研究!加速度的に進行する少子化などの影響により厳しい財務状況に強いられながらも、高等教育界はその社会的責務に応えるべく様々な改革を行っている。そうした改革は、大学同士あるいは大学と企業などの間でどのような相互作用を果たし、普及・拡大していくのか。一校単体の方法にとどまらず、その普遍的なモデル構築は、高等教育界全体の底上げになるという点において、重要な意味を持っている。本書は、大学改革における大学間および大学‐企業間を仲介・連携する「バッファ・ボディ(緩衝組織)」の存在を浮かび上がらせ、大学改革研究に新たなモデルを創り上げた前衛的労作である。
目次
序章 「大学改革」の本質的課題
第1部 現代の高等教育政策の課題(現代の高等教育政策と本書の課題設定;日本の高等教育における職業教育―その展開と改革の変遷)
第2部 高等教育における「普及」―その概念と政策(教育における普及の諸モデル;ケザーの普及理論の検討―アメリカのPSMプログラムを事例として;バッファ・ボディの概念)
第3部 バッファ・ボディの具体的機能(バッファ・ボディの定義―アメリカ高等教育におけるCGS、AAC&Uの働き;バッファ・ボディの条件1:失敗事例の検討と理論的整合性;バッファ・ボディの条件2:大学間連携による普及;ネットワーク組織)
著者等紹介
柴恭史[シバタカフミ]
1987年、広島県生まれ。京都大学教育学研究科博士後期課程中途退学。博士(教育学)。専門は教育行政学、教育政策学、高等教育論。京都大学学際融合教育研究推進センター特定助教、同特定講師、プール学院大学特任講師、桃山学院教育大学特任講師を経て、桃山学院教育大学人間教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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