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戦争「なぜ繰り返すのか」 黒柳徹子さん、来年ユニセフ大使40年

配信
フィリピン南部コタバト市の小学校を訪問した黒柳徹子さん=2014年6月(ユニセフ提供)

フィリピン南部コタバト市の小学校を訪問した黒柳徹子さん=2014年6月(ユニセフ提供)

  • エチオピア北部ティグレ州の野外学校で授業を受ける子供たちと並ぶ黒柳徹子さん(手前)=1992年7月(ユニセフ提供)
  • エチオピア北西部バハルダールで子供たちから花束を受け取る黒柳徹子さん=1992年7月(ユニセフ提供)

 俳優の黒柳徹子さんが国連児童基金(ユニセフ)の親善大使に就任してから、来年で40年となる。時事通信の取材に応じた黒柳さんは、1年半以上続くロシアの侵攻によりウクライナの子供たちが家族を失ったり、避難を余儀なくされたりしている現状について「なぜ戦争を繰り返すのか、人間はどうして学べないのか。本当に悲しい」と憤った。

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 国連は6月、侵攻以降ウクライナで1500人以上の子供が死傷したと発表した。黒柳さんは「何があろうと戦争は絶対にしてはいけない。被害はいつも子供たちの身に降りかかってくる」と訴えた。

 これまでの活動で最も記憶に残っているのは、エチオピアの内戦終結翌年の1992年に同国を訪れた時のこと。痩せ細った体で栄養失調に苦しむ子供たちの惨状を目の当たりにした。「日本では雑誌でダイエット特集が組まれる一方で、エチオピアの子供たちは骸骨のように痩せていた。『神様、不公平じゃありませんか』と言いたくなった」と振り返る。

 約40年に及ぶユニセフでの活動の原動力は、自身の戦争体験だという。「子供たちを同じ目に遭わせたくない。(戦時に)子供たちがどれほど心細いか、空腹とはどういうものか、いろんなことを一応経験しているので、今そうした目に遭っている子供たちの気持ちが少しは分かる」

 「100歳まで親善大使を務めたい」という意気込みは以前から変わらない。体力維持のため、プロレスラーの故ジャイアント馬場さんから教わったスクワットを「毎晩寝る前に50回やっている」という。「何歳になってもいろんな所へ出掛けて行って、みんなにいろんなことを伝える仕事ができるようでありたい」と笑った。

 黒柳さんは84年にユニセフ親善大使に就任。これまでにアフリカや東南アジアなど延べ39カ国を訪問した。

 

 ◇黒柳徹子さん略歴

 東京都出身。現在の東京音楽大声楽科を卒業後、1953年、現NHK放送劇団入団。多くの番組に出演し人気を集めた。81年、幼少時代を描いた自伝「窓ぎわのトットちゃん」を出版。日本国内で累計800万部以上を売り上げて戦後最大のベストセラーとなった。同書は英語や中国語、アラビア語などにも翻訳され世界中で読まれている。印税を基に社会福祉法人「トット基金」を設立。聴覚障害者らの就労支援や「日本ろう者劇団」の運営を行っている。76年放送開始のトーク番組「徹子の部屋」は、放送1万回を迎えた2011年に「同一司会者によるトーク番組の最多放送」としてギネス世界記録に認定され、今も更新し続けている。15年、文化功労者に選ばれた。

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