内容説明
「医学」とは単に医療に関する技術のみを指すのではなく、人間の生活・生命に深くかかわる重大な社会性と倫理性を含み持つ多面的な全体を意味する。本書は、古代から21世紀の現代に至る歴史的文脈のもと、この全体性としての医学を鮮やかに整理・描出したテキストの全訳である。原書はすでに6版を重ねた医学史、医学理論、医学倫理の定評ある教科書であり、各章に付された「はじめに」「まとめ」や語句解説、豊富な図版と相まって、わが国でも学習、研修、知識整理等のため、絶好のテキストとなるだろう。
目次
第1章 古代文明の医学―中国とインドを例として
第2章 古代ギリシャ・ローマの医学
第3章 ビザンチンの医学―古代医学の受容
第4章 中世の医学
第5章 ルネサンスの医学
第6章 古い権威を克服して実験医学へ―17世紀の医学
第7章 啓蒙の世紀の医学
第8章 現代への突入―19世紀の医学
第9章 20世紀と21世紀初頭の医学の概要
第10章 医療にかかわる国際保健・支援機関
付録
著者等紹介
エッカルト,ヴォルフガング[エッカルト,ヴォルフガング] [Eckart,Wolfgang U.]
1952年生まれ。ミュンスター大学医学部卒。医学部在学時より医学史研究を始め、近世医学史の研究で博士号取得(1978年)。その後、ミュンスター大学で助手を務め、ドイツ植民地医学の研究で教授資格取得(1986年)。同大学講師を務めたあと、1988年にハノーファー医科大学医学史講座教授。1992年にハイデルベルク大学医学部教授・医学史研究所所長に就任し、現在にいたる(研究所名は現在では、「医学史・医学倫理学研究所」となっている)
今井道夫[イマイミチオ]
元札幌医科大学医学部教授、医療人育成センター長。現在、札幌医科大学名誉教授。西洋近・現代哲学、医学哲学・生命倫理学専攻
石渡隆司[イシワタリュウジ]
元岩手医科大学教養部教授、教養部長。現在、岩手医科大学名誉教授。西洋古代・中世哲学、医学哲学・生命倫理学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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