「その家には隠し部屋がある」 築130年の家に住む夫婦に『前入居者』から手紙

@Living_In_Historyより

不動産市場には、築年数が比較的浅いものから、数十年を経過したものもあるなど、さまざまな状態の中古物件が出回っています。

購入した中古の一軒家に、秘密の隠し部屋があることを知ったという夫婦のエピソードに、多くの人が興味を示しています。

実際に住んでいる女性が、NewSphereに対し経緯を話してくれました。

築130年の家に届いた謎の手紙

夫婦の名前は、マットさんとコートニーさん。

2人は2022年下期に、地元の歴史協会から築130年のビクトリア様式の一軒家を購入しました。

築年数が相当経過しているだけあり、購入時の状態についてコートニーさんは、「改修が必要な部分があったほか、キッチンやバスルームといった設備も整えなくてはならない状態でした」と振り返ります。

2023年6月現在、予定されている大がかりな改築工事に向け、行政の許可が下りるのを待っているところだそう。

工事は2024年2月までかかる予定で、入居はその後になりそうだと話してくれています。

改修工事の完了を心待ちにしている2人のもとにある日、カナダから1通の封書が届きました。

送り主は、この家をかつて所有し、住んでいた一家の1人を名乗る人物。

「私はマディソン家の最後の末裔です。家を購入した時、不動産業者からは聞いていなかったかもしれませんが、その家には秘密の隠し部屋が存在します」と書かれていたのです。

@living_in_history We have secret rooms!?!? #secretroom #secretroomcheck #historichome #livinginhistory #hiddencompartment ♬ original sound – Courtney & Matt

手紙の内容に従い、コートニーさんはTikTokに続々と「秘密の部屋」を紹介していきます。

まずは、リビングの暖炉の上に設置されている、パネル式の鏡。

なんと、上方向にスライドさせられるようになっており、そこにある棚には、埃をかぶった酒のボトルが大量に並んでいたのです!

@living_in_history Part 2! #secretroom #secretcompartments #prohibition #hiddenbar #historichome #livinginhistory #thewatcherhouse ♬ original sound – Courtney & Matt

バーボン、ビール、クリーム(シェリー酒)、それに1970年のロゼ、1989年のカベルネ・ソーヴィニヨンなどフランス産の未開封のワインもあったようです。

続けて、バスルームの向かい側にある小さな扉。

開けると奥には、秘密の隠し部屋がありました。

這うようにして中に入ると、そこには広い倉庫のような部屋があったのです。

@living_in_history Part 3! #secretroomcheck #historichome #oldhousetiktok #historichomes #wegotaletter ♬ original sound – Courtney & Matt

最後にコートニーさんは、レンガで囲まれた地下室に進みます。

電気、ガス、水道を思わせる各種のパイプや配電板などがあり、作業台や工具もあるようです。

@living_in_history Secret Room 3??? #secretroom #hiddenrooms #mysteryletter #oldhousetiktok #thisoldhouse ♬ original sound – Courtney & Matt

「マディソン家の人々は、そこで何やら作業をしたり仲間とワイワイとお酒を飲んでいたのかしら」とコートニーさんはつぶやいています。

そんな中、ふと錆びついたパイプと壁の隙間から、奥にさらに大きなスペースがあることにも気づきました。

携帯電話を押し込んでみると、小さな窓から光が入る半地下室があることがわかりました。

不気味さのなかにも、コートニーさんは「この広いスペースを、どんな風に使おうかしら」と心を躍らせたようです。

築130年の家の価値は「上がっていくだろう」

コートニーさんがいうように、「毎日のように新しい発見があり、購入したこの家を宝探しの気分で楽しんでいます」なんて、なかなかないこと。

NewSphereは、コートニーさんにいろいろと聞いてみました。

――この家を購入しようと思ったポイントや魅力は?

「たくさんあるんですが、一番は今後もう、こうしたビクトリア様式の建物は建たないと思うからです。

建築資材や人件費といったコストを考えると、このような細かい暖炉や華麗な木工細工は、現代ではもう手の届かないものになっています。

さらに、この界隈には美しい並木道や歴史的な家がたくさんあり、私が育った地域にとても似ているんです」

――この家のお値段はおいくらでしたか? 

「アハハ!その答えは墓場まで持っていくつもりですよ。

幸運なことに、私たちはとても良い決断をし、経済的な成功へと導いてくれました。

お値段は決して安くありませんでしたが、私たちは「この家には価値がある」と考えています。

リフォームが完了すれば、その価値はさらに上がるでしょう」

――手紙が来たとき、どんなことを感じましたか?

「私自身、とても歴史のある古い家で育ちました。

何度も知らない人が突然やってきて、「この家で育った者です。今、ここがどんな風になっているのか見せてもらいたいんですが…」と言うんです。

そのため、今回もそんな風に誰かが連絡してきたのだと思い、特に驚きはしませんでした。

ところが送り主の方は、私たちが家を見学した時には知りえなかった情報を教えてくれたので、もうワクワクしました。かなりエキサイティングなことでした!」

――手紙が届くまで秘密の部屋や棚の存在は、まったく知らなかったのですか?

「はい、全く。売主は、暖炉に酒棚があることすら、知らなかったと思いますよ。

以前の所有者(マディソン家の人物とは別)はオフィスとして使っていたので、30年間所有していたにもかかわらず、住んではいませんでした。

なので、隠し部屋のことなどを見逃していたかもしれません」

――ところで、隠し部屋にあったお酒は飲みましたか?

「まさか! このお酒は1980年代半ばから、高温の煙突のすぐ近くで保管されていたんですよ。

開封されていたものは完全に腐敗していたし、未開封のものは大丈夫かもしれませんが、健康面でのリスクは冒さないつもりです。キャビネット内の展示品として保管されるだけです」

2人は、たくさんの楽しみがある家で幸せに暮らしていくことでしょう!

コートニーさんのTikTokやInstagramをご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

TikTok:@Living_In_History

Instagram:@Living_Historically

Text by 森みどり