笠戸島(読み)カサドシマ

デジタル大辞泉 「笠戸島」の意味・読み・例文・類語

かさど‐しま【笠戸島】

山口県南東部、下松くだまつ市沖の瀬戸内海にある島。対岸大島半島との間に笠戸湾をはさむ。昭和45年(1970)、笠戸大橋によって本土と結ばれた。島内の山林は自然休養林に指定されている。大島半島の太華たいか山(標高366メートル)とともに瀬戸内海国立公園の一部。名の由来は、厳島いつくしま神社明神が笠を置いたという伝説から。

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日本歴史地名大系 「笠戸島」の解説

笠戸島
かさどしま

[現在地名]下松市大字笠戸島

笠戸湾に浮ぶ北東から西南にかけての細長い島で、島の東は周防灘、西は笠戸湾を挟んで徳山市大島おおしまに対する。現在みや洲鼻すばなから瀬戸せと岬に笠戸大橋が架けられている。

平安末期成立の「本朝無題詩」に、釈蓮禅の「着笠戸泊一吟」がある。また「南方紀伝」に「延元元年四月二十六日尊氏攻上周防国笠戸浦着岸、催三浦介高継路次戦、官軍失利」ともある。

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改訂新版 世界大百科事典 「笠戸島」の意味・わかりやすい解説

笠戸島 (かさどしま)

山口県南東部,周防灘にある島。下松市に属する。面積11.66km2人口1213(2005)。笠戸湾(下松湾)を抱き,七浦七岬と呼ばれる小湾入の多いすぐれた景観は瀬戸内海国立公園の一部をなす。島の北端瀬戸岬と本土の間の150mの水道に1970年笠戸大橋が架けられてから,国民宿舎ができ,キャンプ地やハイキングコースもととのい,磯釣海水浴場でも知られる郊外レクリエーション地となっている。江ノ浦には下松市四大工場の一つ笠戸ドック(現,新笠戸ドック)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「笠戸島」の意味・わかりやすい解説

笠戸島
かさどしま

山口県南東部、瀬戸内海にある島。下松(くだまつ)市に属する。大島半島との間に笠戸湾を抱き、小湾入の多い海岸線は風光に優れ、大島半島の太華山(たいかさん)とともに瀬戸内海国立公園の一部をなす。面積11.77平方キロメートル。1970年(昭和45)に架けられた笠戸大橋によって本土側の洲鼻(すばな)と結ばれた。島の山林のなかばを占める国有林は自然休養林に指定されており、国民宿舎、家族旅行村、海水浴場、海上遊歩道などが整備されている。江ノ浦には新笠戸ドックの造船所がある。人口1365(2000)。

[三浦 肇]


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百科事典マイペディア 「笠戸島」の意味・わかりやすい解説

笠戸島【かさどじま】

山口県下松(くだまつ)市,周防灘(すおうなだ)にある島。面積11.67km2。古生層の沈水地塊島で,陸繋(りくけい)島の大島とともに笠戸湾を囲み,湾側には入江が多く漁村が点在,外側海食崖が発達。平安朝より史料にみえ,江戸時代には72艘の船があった。
→関連項目下松[市]瀬戸内海国立公園山口[県]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笠戸島」の意味・わかりやすい解説

笠戸島
かさどじま

山口県南東部,下松市南部の周防灘にある島。下松市に属する。最高点は南部の高壺山 (256m) 。本土の宮ノ洲鼻とをへだてる宮ノ瀬戸に,笠戸大橋がかかる。海岸線は屈曲に富み漁業集落が多い。島の大部分は瀬戸内海国立公園に属する。磯釣り場,海水浴場で有名。面積 11.6km2。人口 1546 (1996) 。

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