東京オリンピック(五輪)で販売された高額チケット「公式ホスピタリティ」の購入者に対し、無観客となったにもかかわらず閉幕後の現在に至るまで、払戻金額とその時期を知らせていないことが12日、分かった。

同チケットは数百万円と超高額なものもあり購入者の間で不安が募っている。

組織委員会はSTHJapan社、JTB、フランスのSodexo社の共同事業者と委託契約を結んでいた。日刊スポーツが閉幕後に入手した事業者のメールには返金額・時期と払い戻しポリシーについて「組織委との協議を引き続き行っております。払戻時期を含む詳細が決定次第改めてご連絡いたします」と書かれていた。開幕前のメールから変わっていない。

取材に応じた購入者は「そもそも無観客で観戦すらしていないのに全額返金ではないのか」と憤る。さらに事業者は当初、電話にて金融機関名、金融機関コード、支店名、支店コード、口座の種類、口座番号、口座名義の個人情報を知らせるよう要求してきたといい「やり方が振り込め詐欺のようで怖い」と漏らした。

同チケットは発売当初、高級料理やお酒を楽しみながら開閉会式や陸上の決勝が見られるとして最高635万円で売り出された。多くの競技会場で販売され、価格は数十万円から100万円を超える。抽選で外れてしまった人々が、高額でも五輪を現地で観戦したいと購入した。

組織委は無観客が決定した直後から公式ホスピタリティについて「事業者に問い合わせてほしい」の一点張りだった。一方、組織委が売り出した通常のチケットは全額払い戻しが決まり大会終了後に順次、振り込むと発表している。