船井電機HD、脱毛サロン「ミュゼ」の運営会社買収
船井電機・ホールディングス(HD)は11日、脱毛サロンを全国で運営するミュゼプラチナム(東京・渋谷)を買収したと発表した。買収額は非公表だが、数十億円とみられる。連結売上高の約8割を占める薄型テレビ事業が伸び悩むなか、美容事業を新たな収益源に育てる狙い。
11日に全株式を取得して完全子会社化した。ミュゼプラチナムは脱毛サロンを全国で170店程度運営し、美容機器や基礎化粧品も販売する。2022年3月期の連結売上高は300億円強だった。現時点で店舗ブランドなどを変更する予定はないという。
船井電機HDは、ミュゼプラチナムの美容機器の製造を担うほか、自社製品の販売にミュゼの店舗を活用することで相乗効果を狙う。ミュゼプラチナムは店舗などを通じて集めた顧客データを生かしたマーケティング事業を展開しており、船井電機HDの製品開発にもミュゼの知見を生かす。
船井電機はかつて北米でテレビ大手の一角だったが、中国メーカーなどの価格攻勢を受けて収益力が低下。国内では家電量販大手のヤマダ電機(現ヤマダホールディングス)と組み「FUNAI」ブランドの液晶テレビを独占販売しているが、テレビ事業の成長余地は限られている。
船井電機の22年3月期の連結売上高は696億円とピーク時から減少傾向が続く。テレビに代わる収益の柱が不可欠で、ミュゼの買収で美容事業を新たな柱に据えたい考えだ。
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