さんじょくねつ

産褥熱

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

産褥熱とは、お産のあと、24時間以降、産褥10日以内に2日間以上、38度以上の発熱が続く場合とされています。主に子宮内膜炎が原因となりますが、感染の原因や経路が不明な場合も多いといわれています。

抗生剤の内服・点滴により治療し、子宮収縮剤の投与、子宮口を開く処置、子宮内容除去、洗浄など行い、悪露や分泌物の排泄を促進します。

原因

一番頻度の多い原因は子宮内膜炎(子宮内の感染)です。経腟分娩でも帝王切開でも、子宮内に細菌が入り感染を起こすことで発症します。悪露の貯留が長期になり、子宮内に細菌が増殖することが原因です。

産褥熱を起こしやすい状況としては、糖尿病合併、免疫不全状態、性感染症の合併、悪露(おろ)(分娩後に子宮から排出される分泌物)の流出を妨げるような筋腫がある場合が考えられます。

また、お産の前後では、前期破水(陣痛が始まる前に破水すること)、絨毛(じゅうもう)膜羊膜炎、産褥期の長期安静(寝たきりなど)、子宮内胎盤遺残(たいばんいざん)などが誘因になります。

しかし、感染の原因や経路が不明な場合も多いといわれています。

症状

お産のあと、24時間以降10日以内に2日間以上、38度以上の発熱が続きます。産褥子宮内膜炎は通常3~5日目に発症し、発熱、下腹部痛、子宮の圧痛、悪露の異常(血性・悪臭がある)がみられます。

感染が広がり状態が重篤になると、細菌が血液内に侵入増殖し、全身感染症となって敗血症を引き起こすことがあります。治療が遅れると命に関わる病気です。

検査・診断

産褥熱は、発熱や下腹部痛などの症状や経過などから疑われます。卵管や卵巣、その周りへと炎症が広がれば、それに伴って症状は強くなります。

採血検査をして炎症の程度を確認し、悪露の培養、血液培養など行い、原因菌を調べます。原因菌が特定されるまでに時間がかかる場合があるので、医師が経験的に効果的と判断する抗生剤を開始します。

治療

お産の前から徴候が出るような絨毛膜羊膜炎などでは、帝王切開によって赤ちゃんと胎盤(たいばん)を出すことが子宮内感染の治療となります。手術中に腹腔内をよく洗浄したり、ドレーンを留置したりしておくことで、術後に炎症所見は速やかに改善します。これは、産褥熱の予防になります。

産褥熱で原因が診断された場合、症状が軽度であれば抗生剤の内服で外来通院により治療することも可能ですが、中等症以上であれば、入院のうえ、点滴で抗生剤を投与します。また、超音波検査で子宮内遺残の有無を確認後、子宮収縮剤の投与、子宮口を開く処置、子宮内容除去、洗浄など行い、悪露や分泌物の排泄を促進します。

子宮の創部や腹腔内に(のうよう)ができている場合は、外科的に取り除く処置(切開排膿、ドレナージ、外科的切除)が必要になります。

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