内容説明
2000年代以降、首都圏にある大学のキャンパス新増設が進むなど、学生にも「東京一極集中」が叫ばれるようになった。しかし、調査から見えてきたのは、地方から東京への大学進学者はむしろ減少傾向にある事実だった―。緻密なデータ分析によりこの要因を追究した本書は、「東京一極集中」の潮流に引き寄せられるのではなく、家族や学校など地元の引力により県内・圏域内の進学・卒業後のUターンを志望する地方在住高校生たちの姿を浮かび上がらせる。時代や社会状況に伴って変化する学生の進学行動原理を明らかにした気鋭の研究!
目次
現代日本における進学移動研究の意義
第1部 進学移動の理論検討(進学移動研究の理論と方法)
第2部 進学移動のマクロデータ分析(高卒就職・進学移動の時系列分析;首都圏における大学立地と進学移動の関係に関する分析;大学進学にともなう地域移動の時系列分析―地理的要因に注目して)
第3部 進学移動のミクロデータ分析―福島県を対象に(地方における高校生の進路選択の特性と要因―「福島県高校生調査」の分析;大学進学にともなう地域移動における意思決定モデルの検証―蓄積効果に関するマルチレベル分析を中心に)
本書の結論と展望
補論 国立大学における大学進学にともなう地域移動
資料
著者等紹介
遠藤健[エンドウタケシ]
早稲田大学大学総合研究センター講師。1988年福島県白河市生まれ。早稲田大学文学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科修士課程、博士課程修了。博士(文学)。国立大学協会特別研究員、早稲田大学大学総合研究センター助手、助教を経て現職。国立大学協会高等教育に関する基礎データ等の調査研究グループ委員、東日本大震災・原子力災害伝承館客員研究員。専門分野:教育社会学、高等教育論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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