何年か前にKENWOOD鴨居のサービスにTS-990とTS-890のいろいろな事を教えて貰った事がありました。
いよいよTS-990が消えようとしています。(残念)
買おうと思った事は1度もありませんが、アマチュア無線をやっていなかったら多分無理してでも買ったと思います。
使っている人・持っている人がとても羨ましいです。(^^)
私はまともなHF機ならケンウッドが一番好きですし、フラッグシップモデルならスペック比較することなくケンウッドにします。ですがアマチュア無線に転向してからはケンウッドのHF機どころかそれなりの値段の無線機を買った事が無いです。
このTS-990ってケンウッドの開発担当やサービスにとって苦難の課題が100パーセントクリア出来ないまま製品化・発売された事を知っている人は少ないと思います。
まだ全部は話せませんが、1つは「送信出力200W」
100Wと200Wの差・電気的設計・放熱設計に雲泥の差があり、送受信機として1つの筐体内に一体化して200W機として製品化するのは大変な無理難題なんだそうです。特にアナログ時代の無線機と違いDSPチップや様々なIC.デバイスからの発熱と動作時に発生してしまうノイズと熱の対策が想像以上に大変なんだそうです。
ヤエスが以前出した Mark-Ⅴ FT-1000MP が電源部をセパレートにしたり、GMDSS対応の船舶用MF/HF機も150W機以上のモデルになるとパワーアンプユニットがセパレートになっているのは放熱問題がその理由だと言う事は詳しい方ならご承知かと思います。ましてや船舶用の無線機にAC-DC変圧の電源が組み込まれていないですし、昔のラック型400W・800W・1kW・外国船向けの1.5kW送受信機全てのエキサイター(ユニット部分)は国内・海外向けも含めて共通しているのが単体出力が200mWで、モデルの出力まではパワーアンプユニットで増幅して出力しています。周波数確度・周波数安定度・熱に影響しないようにそのような設計になっていますし、ラック組込み架台に組み合わせて構成するので大きくなってしまいます。
小型化した一体化のモデルで JSB-210 という200W機もありましたが、電源部無しであの大きさでしたので、アマチュア無線機のAC電源部内臓固定局モデルのサイズはいかに凄いかというのがよく解ります。
TS-990 いかに凄い無線機で小さいかというのは電源部1つだけ見てもよく解ります。その電源部に関してのネタはまだ問題があるので詳しい事は書けませんが、良い悪いは別としてDSP200W機で一つの筐体に入っているのはとても凄いです。
私のような者が書くのは大変失礼ですが、TS-990のオーナーの皆さん、是非大切に末長くご愛用されて下さい。特にケンウッドの開発陣の特別な思いと苦難がびっしり詰まっています(^^)
買えませんがTS-990が間もなく消えるのはとても残念です。