内容説明
子どもたち一人ひとりに遍く開かれた教育をめざして―。「人種のサラダボウル」と呼ばれ、多くの人種・民族が共生するアメリカ。しかし昨今、様々な分野で人種・民族間の格差拡大が叫ばれている。特に、「子どものエンパワメントの格差」は、大人になった後の知識や技術などを決定づけるという点で、格差問題の構造に深く根を下ろしている。本書は、イリノイ州シカゴ学区(CPS:Chicago Public School)の市民性教育の詳細な事例分析を通し、そこでのカリキュラム計画・実践の方途を明らかにするとともに、「子どものエンパワメント格差」の是正に向け必要となる具体的要素の抽出を試みる。同じく格差拡大が問題視されるわが国にも重要な示唆に富んだ一冊!
目次
序章 本研究の目的と方法
第1章 アメリカ市民性教育における「格差」を捉える
第2章 市民性教育におけるエンパワメントの重要性
第3章 シカゴにおける社会・政治参加の伝統と市民性教育の全体像
第4章 「子どもの声」を基盤とした市民性教育プログラム
第5章 「パワーの分析」に取り組む公民科カリキュラム
第6章 利害関係者との「協働行動」を重視した学校における生徒参加
第7章 シカゴ市民性教育の特質と今後の展望
終章 本研究の成果と課題
著者等紹介
久保園梓[クボゾノアズサ]
1990年生まれ。筑波大学人間総合科学研究科学校教育学専攻修了。博士(教育学)。現在、筑波大学人間系特任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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