「ドアの鍵はかけていたのに」 ホテルで「鏡」から侵入され盗難被害が発生

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タイのあるホテルに宿泊した客たちが2023年4月、外出中に貴重品やお金が盗まれたとして盗難の被害届を出しました。

ホテル側は「客が貴重品を持ち込んだという証拠がない」と相手にしてくれなかったといい、警察もロクに動いてくれず、被害者はメディアを使い行動に出たそうです。

タイのメディア『The Thaiger』ほかが報じたところによれば、事件は4月26日、西部のカンチャナブリーという町にあるホテルの2つの部屋で発生。

アサナ・ポル・ケンケーオさんは家族と共に外出し、午後11時にホテルに戻ってきました。

その時は何の異変もなかったのですが、翌朝7時に目が覚めると、金のネックレスと指輪、ダイヤモンドの指輪、そして現金71万タイバーツ(約290万円)が消えていたそうです。

ポルさんは、「ドアにはきちんと鍵をかけて寝ました」と主張しています。

車に置いてきたのかも…と探すなどバタバタとしていたなか、隣の部屋のピニョさんという宿泊客も、現金7,000バーツ(約28,500円)の入った財布を盗まれたことを知りました。

2人は誰かが部屋に侵入したのではないかと疑い、あちこちを徹底的に調べ、衝撃的な事実をつかみます。

室内では鏡に見えた部分が、外側から見ると扉だったのです。

現地メディアがFacebookに投稿した画像には、その様子が公開されています。

扉について「愛人などが、恋人や家族から気づかれずに部屋を出られるよう設けた」と説明したホテルに、2人は「チェックインの時、そんな扉があると知らされなかった」と激怒しました。

地元警察に被害届を出したところ、足跡や指紋の採取などを行ってくれましたが、その後はなしのつぶてで2ヶ月近くが経過。

被害者たちの不満や疑問はなんら解消されず、メディアに話を持ち込んだそうです。

ホテルで犯罪の被害にあうと言えば、隠しカメラの問題も過去には起きています。

India Today』などによると、インドでは2022年9月、ホテルから出てきたカップルが、性行為の動画をネタにお金をゆすられるようになりました。

逮捕されたのは、男4名。

彼らはホテルに宿泊した際、部屋に極小のカメラを埋め込み、しばらくしてから再びその部屋に泊まり、カメラを回収して証拠を消し去っていたのです。

人として最低限のモラルを失っている、そんな犯罪が増えていることは憂慮に堪えません。

Text by 森みどり