矛盾しているように思えるかもしれませんが、自由な意思を持つには、自分がそれを持っていると信じているかどうかが重要だそうです。要は、自分には自由意志があると信じていればあるし、信じていなければないということです。

心理科学ジャーナル「Psychological Science」に載っていた最近の研究(英文)によると、自由意志の存在を否定している時は、脳の自発的な行動をおこす能力を実際に妨げてしまうのだそうです。

以下は、「Wired Science」に載っていた研究の概要です。

 

ソウルの科学研究機関の実験で、30人の被験者にFrancis Crickの1994年の「驚愕の仮説」という本を読むように指示しました。半数の被験者には、自由意志について説明していません。残りの半分の被験者には、自由意志は(あると思えばあるし、ないと思えばない)幻想のようなものだと伝えました。

すべての被験者を脳波計に掛けて「準備電位」と呼ばれる脳の電気的な動きを調べたところ、自発的な動きのほんの数百ミリ秒前に、神経学的な動きが発生していました。それから実験の被験者に数秒感の間、パソコンの画面でカーソルが光った時にマウスのボタンを押すよう指示しました。

自由意志はなくなるという本を読んでいる被験者は、準備電位が驚くほど低かったそうです。これは、自由意志をコントロールしているグループよりも、自発的にコントロールしていることが少ないということに関連していると思われます。

このように、自由意志というのは、信じていれば見えるティンカーベル(妖精)と同じようなものだということです。自分の行動は自分ではコントロールできない...と思っているなら、自分の行動に自分の意思があるのかを再確認した方がいいでしょう。そうすることで、その後の行動が大きく変わってくるはずです。

つまり、意志あるところに行動が起こると信じていれば、より行動を起こしやすくなるということなので、自分の夢や願望がある場合は、それを常に意識している方が実際の行動として起こしやすいということになるでしょう。

まずは、この事実を信じることからすべてが始まりますから、夢や願望を叶えたいと思っている人は、「信じる者は救われる」という気持ちで信じてみてはいかがでしょうか。

Disbelieving Free Will Makes Brain Less Free | Wired Science

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)