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三春充希のプロフィール

20210301プロフィール

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 こんにちは! 三春充希です。普段は政治のことをよく語っているけれど、もともとは理科系の出身なんですよ。中学を卒業してから16歳の時に高卒認定試験に合格し、その資格で大学を受験したという珍しい経歴です。

 生まれた世界のことが知りたくて、小さい頃は好奇心の塊のような子供でした。学問全般に興味がありましたが、やがて大学に入ると惑星、化学、物理、数学などを幅広く学び、大学院では天体の研究に進みました。そんなわけで、いちばん得意とするのは自然科学のことなんです。

 でもぼくは、自然科学と政治を別々のものだとは思いません。例えばロケットの技術は弾道ミサイルの技術と多くが重なります。また、そうした政治性を帯びているからこそ宇宙開発は米ソの国家的なプロジェクトとして進められた歴史を持っています。

 2011年の原発震災や事故への対応では、科学が政治によって歪められる場面も多く見られました。軍事や公害の場面で危険なものが安全だと言われ、学問の名のもとで不合理が合理化されてきたことは枚挙にいとまがないほどです。このような政治の側によっておしつけられる歪みから学問を開放しない限り、ぼくたちは本当の世界の姿を知ることはできないし、未来を描くことも困難であるように思えました。

 こうしたことに悩んだ結果、結局ぼくは政治について発言していくことを選んだといえるかもしれません。とはいえそれまで政治を学ぶ機会なんてあまり持ったことがなかったので、そうした自分に意味のある発言ができるかは心配です。そこでぼくは科学研究でやってきた計算やデータの分析を活かせないかと思いました。このようにして始まったのが「みらい選挙プロジェクト」なんです。

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 ⭐みらい選挙プロジェクト⭐
いつだってある「その先」の世界へ

 現代の民主主義――それは、権力の座を空白として、その空白に一時的に入れるものをそのつど選んでいくのですから、選挙はいつも勝ったり負けたりの繰り返しです。負けた側にもまた次の選挙がある。いつだって「その先」の未来が続いていく。だからどんな状況下でもぼくたちは未来の選挙に向けて動いていく――。「みらい選挙プロジェクト」にはそうした意味があります。

 主な取り組みとしては、データを駆使して今の社会の姿を可視化し、理解するということを行ってきました。世論調査の平均や、選挙への地理的なアプローチなどを経て、2019年には成果をまとめた『武器としての世論調査──社会をとらえ、未来を変える (ちくま新書)』を発表しています。

 世論調査のグラフは、もともと2015年の安保法の採決の際に一時的に作ったものなのですが、好評だったので新たな調査が発表されるたびに更新を続けています。グラフには、各社の世論調査が持っている偏りを補正した後に、結果を加重移動平均するという方法が取り入れられており、複数の調査を統合することで解像度が上がる点が長所です。

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 支持率のグラフは「時間的な推移」ですが、「地理的な広がり」を見ることができたらどうでしょうか。時間と空間の両方を知れば大きく視野が広がることに違いありません。2017年以降は、地理情報システム MANDARAやQGISを利用してこういったことにも取り組んできました。

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 これは48回衆院選(2017年)の得票率を市区町村ごとに表示したもので、右側が与党の得票率が上回った自治体のみを陸地に、左側が野党の得票率が上回った自治体のみを陸地にした地図です。(詳しい説明はこちらを見て下さい:与党列島と野党列島――世論調査から知る日本の姿

 ここからもう一歩進んで、地理的な広がりと時間的な推移を統合すれば、気象庁のアメダスや降水レーダーのように政党の地盤を見ることもできそうです。そう考えてデータの整理を進めたのが2019年頃でした。

自民党得票率アニメーション・プロフ用

 現在では、過去50年間にわたる得票率のデータを、自治体ごとの産業別従事者数や年齢別人口、所得や失業者数などのデータと連携させています。

 データで政治を考えたり社会の姿を見るという地点から始まったプロジェクトでしたが、最近はもっと広範に、この社会が抱えている問題と向き合うことが多くなっています。社会の深刻な問題には頭を抱えたくなってくるものですが、ぼくはデータも地図もグラフも大好きなので、図表を作るのは楽しみでもあります。

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  ⭐小さな希望プロジェクト⭐
「ないかもしれないもの」を探しにいく

 ところで選挙や世論の分析というと、高い場所に立って世間を見下ろしているような印象を持たれがちになるでしょうか? けれどぼくがそういったことに携わっているのは、理科系出身という立場から、データの活用を手掛かりにして政治に踏み込んでいった経緯によっています。ぼくは決して公の場に身を置くわけではないですし、本当を言うと、いちばん真剣に取り組んでいるのは、それでは実現できないようなことなんです。

 選挙や世論調査は民主主義を実現する上でも、社会を知る手掛かりとしても重要なものですが、そこで得られるデータというのは、結局のところ得票率や支持率などの数字にすぎません。しかし、この社会を生きる一人一人が感じる肯定感や否定感、喜び、怒り、愛情、悲しみといったものは、必ず数字に還元できない色合いを持っています。そのことを失念すると、社会を理解するうえで大きなものを取り逃してしまうように、ぼくには思えてならないのです。ぼくは自身が曖昧で混沌とした人間であることを感じるし、そうした捉えにくいものと向き合っていきたいです。

 ぼくはロスト・ジェネレーションのよりさらに下の世代です。ロスト・ジェネレーションが「親よりも良い生活をできなかった世代」なら、ぼくたちは「『親よりも良い生活をする』ということすら想像してもみない世代」といえるかもしれません。

 そんな同時代を生きている人たちの感じる不安や無力感。そして、「社会は動かない」「自分もまた変わることがない」という諦めの気持ち。それを打開するという決意すら空虚に響くような、そういう時代にぼくたちは生きています。けれどまた、その傍らで「どこかに何かがないのだろうか」「誰かが自分を変えてくれないだろうか」という漠然とした淡い望みを抱いていたりします。もっと曖昧な、自分でも捉えられないようなもやもやとしたものも抱えて生きています。

 そうしたものを言葉にしていく力を持ちたいです。社会のおかしさを敏感に感じ取る人が追い詰められていくなかで、そういう人たちと呼応できるような言葉が必要だと思えてならないから。そしてそのもやもやしたものの中に、選挙や世論調査では捉えられないような、それでいて絶対に表現されなければならないようなものがあることを確信しているから。ぼくはそれを一番のテーマに据えています。こうしたことは「小さな希望」に少しづつ書いていくつもりです。

 ぼくは「データで語る政治」と「あいまいな模索」の両方について書くので、中にはこれをわかりにくいと感じられる方もいるかもしれません。

 前者は「選挙で実現できること」や「今から5年、10年といったスパンでの問題」です。後者は「選挙では実現できないこと」だったり、「はるか未来の可能性」だったりすることもあります。

 一方に期待してくれている人は、他方を見て、なぜそんなことを書くのかと不思議に思われるかもしれません。けれどその全体がぼくです。

 つかめないかもしれない未来をつかもうとして、複雑なことを複雑なまま、いろいろなことを保留しながら、こうかな、ああかな、と考えつづけてみる。そんなところから、ぼくは自分の活動を続けていきたいです。

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