電通、経常利益9%増の488億円に 11年3月期
電通は8日、2011年3月期の連結経常利益が前期比9%増の488億円となる見通しだと発表した。従来予想は5%減の427億円だった。番組の間に流す「スポット広告」を中心にテレビコマーシャルの需要が回復しているため。新聞広告の減少にも歯止めがかかってきており、広告不況は最悪期を脱しつつある。
売上高は8%増の1兆8206億円と従来予想を708億円上方修正した。足元でテレビ広告の需要が回復しているうえ、広告大手のなかでのシェアも拡大している。ネット広告や海外子会社も好調を維持しそうだ。
本業は持ち直すものの、特別損失154億円の計上が響いて純利益は208億円と33%減る見込み。完全子会社化したネット広告のサイバー・コミュニケーションズ(cci)ののれん代の一時償却で81億円、映像コンテンツやソフトウエアの減損で35億円の特損が発生する。
4~9月期の売上高は前年同期比11%増の8684億円となった。主力の新聞、テレビなどマス4媒体の売上高(単体ベース)は5%増の4034億円に回復。テレビがスポットを中心に7%の増収となったほか、新聞も微減にとどまった。マス4媒体への企業の広告出稿は08年の金融危機をきっかけに急激に落ち込んだが、ようやく下げ止まりが見えてきた。
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