iPhoneフラッシュ対応ブラウザー、品切れ
【シリコンバレー=奥平和行】米アップルの高機能電話(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)」向けに米IT(情報技術)ベンチャーが開発した閲覧ソフト(ブラウザー)が、3日の発売直後に"品切れ"になった。このソフトはiPhoneでは見ることのできなかった動画再生技術「フラッシュ」に対応。購入者が殺到してサーバーへの負荷が高まったため、販売を一時中断した。
フラッシュに対応するブラウザーを開発したのは携帯電話関連の技術開発を手掛けるスカイファイア(カリフォルニア州)。同社のブラウザー「スカイファイア2.0」を使うとiPhoneでもフラッシュの技術を利用して作成した動画を見ることができるため、事前の関心も高かった。
3日午後0時(日本時間4日午前4時)にアップルの「アップストア」を通じて米国や日本など世界の主要市場向けに販売を始めたが、アクセスが殺到。フラッシュの動画をiPhoneで再生できる形式に変換するサーバーの能力が限界に達したため、約5時間で販売を打ち切った。
販売停止時にはアップストアの販売ランキングで1位になっており、iPhoneでフラッシュの動画を視聴したいという利用者の潜在的なニーズが高かったことを示す格好になった。現在、サーバーの増強を進めており、「4日午前9時をメドに復旧させたい」(広報担当者)としている。
フラッシュを巡ってはアップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が「信頼性に欠ける」などと主張。アップル製品ではiPhoneに加え、多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」でも対応していない。ただ、フラッシュはインターネットを通じて動画を配信するための業界標準となっており、不便さを指摘する声が多い。