ららぽーと甲子園、欧米の低価格衣料集結 来春大規模改装
三井不動産の大型ショッピングセンター(SC)「ららぽーと甲子園」(兵庫県西宮市)が2011年春、スウェーデンのカジュアル衣料大手「ヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)」を誘致する。スペインの同業「ザラ」も出店する見通しだ。すでに入居している米ギャップを含め、ファストファッションの世界三大ブランドが西日本で初めて出そろう。
H&M、ザラともに最大1千平方メートル規模の大型店にする計画。阪神地域はSCの出店競争が激しく、低価格の欧米ファストファッションを1つの商業施設で比べられる特色を打ち出し、集客力を高める。
改装は04年の開業以来最大規模で、来年3月にかけて順次進める。H&Mは関西2店目で戎橋店(大阪市)の売り場面積900平方メートルに並ぶ規模になりそうだ。
ファーストリテイリングの衣料雑貨店「ユニクロ」、セブン&アイグループの乳幼児専門店「赤ちゃん本舗」も入る見通し。H&Mなどで流行に敏感な若者層を取り込みつつ、親子連れも広域から集める狙いだ。
関西で数少ない人口増加地域である阪神間では、SCの出店ラッシュが続いている。08年に西日本最大級のSC「阪急西宮ガーデンズ」(西宮市)、09年に「COCOE(ココエ)」(尼崎市)が開業。来春には「イオン伊丹西SC」(伊丹市)が開く予定で、工場跡などの再開発による大型出店がヤマ場を迎える。
ららぽーと甲子園の09年度売上高は前年度比横ばいの約200億円(核店舗のイトーヨーカ堂を除く)。外資ファストファッションの誘致でさらに拡大を目指す。
一方、近隣で競合する「グンゼタウンセンターつかしん」(尼崎市)は「食料品や健康分野で地域密着型のサービスを重視する」(運営会社の大沢信之社長)。フィットネスクラブで健康指導のメニューを増やすほか、テナントの大量更新期を迎える12年春には生鮮食品や総菜の専門店を多数誘致するなど、SC間による戦略に違いが出てきている。
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