iPadのせいでノートPCが売れなくなってるのは本当だった!

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    iPadのせいでノートPCが売れなくなってるのは本当だった!

    なんか不振なのはネットブックだけじゃないみたいですよ~

    米国内最大手の家電量販店チェーンとなるBest BuyでiPadの登場以後のPCの売行きが悲惨なんですって話が賛否両論入り混じって大激論になっちゃってましたけど、どうやらその観察は実際の販売台数データでも強力に裏付けられてしまったような形ですね! とっても悲しい現実なのかもしれないですが、もうパソコンは売れない時代になってしまったのでしょうか?

    このほど全米に大きな衝撃が走ったモルガン・スタンレーからの最新トレンド調査レポートを読み解きつつ、一体これからノートPCはどうなっていってしまうのか、その翳りゆく行方に思いを馳せてみることにいたしましょう...

    そもそもの今回の衝撃データのきっかけは、ついに米国内の小売店でのノートPCの販売台数が今年8月に前年比で初のマイナスに転じてしまったことにありましたよ。昨年末には「Windows 7」の正式リリース後の新モデル投入やクリスマス商戦の盛り上がりなどを受けて大きく伸びたノートPC販売が、今年に入ってガクンと落ち込み、前年と比較した販売台数の伸びがジリジリと低下の一途をたどってきたあげく、とうとうマイナス成長期に差しかかってしまったことが明らかにされたんですよね。

    さまざまな要因が考えられますけれども、最も大きな影響を及ぼしているトレンドとして見逃せないのはタブレットによる侵食傾向です。アップルのiPadがノートPC市場にまでも一定のインパクトを与えていることを否定することはできないでしょう。

    そうモルガン・スタンレーの専属アナリストのケイティーさんが調査報告書の中で指摘した途端、一気にタブレット脅威論が米国では現実味を帯び始めてきたみたいですよ。ちょっとまだ日本ではコンシューマー向けのタブレットの投入が遅れている感がありますけど、すでに米国では、iPadのみならず、続々と他の豊富な選択肢のタブレットも増える一方のようでして、まさにタブレットがノートPCに取って代わろうとしている、その勢いを実感できるシーンも少なくないみたいですね。

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    モルガン・スタンレーでは、今回のタブレットによるノートPC市場の侵食が、もしも事実であればかなり衝撃的な結果であることは認めつつも、これまでのコンピューター史上を振り返ると、納得はしづらくても受け入れていかなければならない現実だととらえられてもいるようですよ。

    前年比でノートPC販売台数がマイナスに落ち込んだと言っても、まったく売れていないというわけではありません。今後もノートPCを必要とする購入者層は引き続き存在しますし、これからもノートPCの新モデルが発表されては販売されていくことでしょう。

    しかしながら、明らかにノートPCを今までのようには必要としなくなり、別のカテゴリーの製品で代替できてしまうためにスイッチしてしまった層の良い例といたしましては、スマートフォンユーザー層が挙げられます。スマートフォンの発売後もノートPCの販売台数は伸びてきましたが、以前はノートPCを持ち歩くしかなかったのに、BlackBerryを始めとするスマートフォンで十分にニーズを満たせてしまうため、全社レベルでノートPCからのスイッチが進んだケースを数多く見てきました。これがノートPC市場に少なからぬ影響を及ぼしたことは間違いありません。

    まさかiPadがPCの代わりになっちゃうだなんてね...という反応があるのも当然ではありますけど、自分の利用シーンによっては、別にもうノートPCまでは必要ではないというユーザー層が顕著に広がってきており、スマートフォンの時以上にタブレットがノートPC市場に与えているインパクトは大きいのかもしれませんね!

    そう言えば、米GIZMODO編集チームでは、過去にも同じような衝撃を持って迎えられた製品カテゴリーへのシフトの一例といたしまして、デスクトップPCの衰退を振り返った人たちが多数現われましたよ。最初に世の中にノートPCが姿を現わした頃は、あんなチープな仕様で低性能なコンピューターが、よりパワフルな仕事に多用するデスクトップPCに替わることなんて決してあり得ないなんて見られていましたけど、今では敢えてノートPCではなくデスクトップPCにこだわって購入する人たちのほうが非常にマイナーになってしまいましたもんね~

    さらに古い例といたしましては、コマンドラインを打ち込んでいた人たちが、あんな大ざっぱなグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)なんか使い物にならないだなんて小バカにしていたのが、もう現在ではすっかり...ですよね?

    タブレットが素晴らしい、最高にいいだなんて言ってるユーザーの多くは、あのキーボードのない入力の不便さを無視している。そういう持論でタブレットがノートPCに取って代わるなんて絶対にあり得ないとボクらの多くは考えてきたんですけど、どうやらそんなふうに思っている人たちのほうが少数派だったみたいですね。

    長い文章を打ち込んで仕事を進めていかなければならないような物書きでもなければ、ちょっとしたメールの作成やSNSのプロフィールの更新といったレベルであれば、別にタブレットのソフトウェアキーボード環境でも特に大きく不具合を感じないですけど...という感想が意外に多く、あとは受け身になってウェブページやコンテンツを閲覧して視聴していくことが大半なので、もはやタブレットでも十分に自分の日々のPCライフは事足りると考える人が予想以上に増えていることに本当に驚いてしまいました。

    もしやこのままいつかのデスクトップPCみたいに、いつの間にかすっかりノートPCが存在感を失って、世の主流はタブレットを購入して愛用する人ばかりに...なんて時代が、実は思っているよりも早くやって来るのかもしれません。あんまり想像したくはないですけどね~

    米GIZMODO編集チームの中でも、こんなふうに今回のモルガン・スタンレーが出した調査レポートに対しては驚きの反応で受け止められています。キーボードでガシガシと文章を打ち込むからPCじゃなきゃダメなんだって人が、かなり少数派でしかないような世の中になりつつあるんでしょうかね? これって日本だとどうなんでしょうか? 本当にそんなにiPadって大ブームなのかなぁ? まぁ、日本でもケータイのみで生きていってますよってPC離れが進んでいると指摘されたこともありますから、意外と本当はノートPCまで必要としないって人が増えているのかもしれませんね。

    ちなみに、モルガン・スタンレーでは、8月以降の最新速報値といたしまして、9月に入ってからも週ごとにウォッチしていく米国内市場でのノートPCの販売台数が、やはり前年比でマイナスを記録する傾向が続いていることを発表していますよ。いろいろ低価格のセールや新製品の発売といったプラス要因は出てきているのに、一向にノートPCの売行きに回復の兆しが見えてこないんだそうです。

    デル、HP、サムスンなどなど、これまでPCを得意分野に売り込んできたメーカーが、続々とタブレットの発表や年内リリースなんかを打ち出してきたことの背後にも十分な理由があるわけですね。iPadの販売台数だって、アップルが投入市場を拡大している関係で、現在も伸びまくっている一方だって話ですからねぇ...

    [Fortune]

    Jesus Diaz(原文/湯木進悟)