オランダ、少数連立樹立へ 反イスラムの極右閣外協力へ
【ブリュッセル=瀬能繁】オランダで28日夜、中道右派の自由民主党(VVD)とキリスト教民主勢力(CDA)が少数与党の連立政権を樹立し、極右の自由党が閣外協力することで3党が合意した。新首相には6月の総選挙で比較第1党となったVVDのルッテ党首が就任する見通し。10月中の新政権発足を目指す。総選挙から約4カ月を経て、次期政権の枠組みがようやく固まった。
オランダでの少数与党による連立政権は1939年以来。総選挙での下院(定数150)の獲得議席はVVDが31、CDAが21にとどまり、24議席と第3党に躍進した極右の自由党の協力を得てようやく過半数の76議席を確保した。
イスラム移民排斥を提唱し、欧州内外で「民族主義者」などと強い批判を集めるウィルダース氏を党首に抱く自由党の総選挙での躍進は「オランダの右傾化」と注目を集めた。今後、法案成立には自由党の同意が不可欠となることから、政権運営での自由党の影響力が強まるのは必至。このため早くも新政権の基盤が弱く政局が不安定になるとの見方が出ている。