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野火(のび) (新潮文庫) 文庫 – 1954/5/4
大岡 昇平
(著)
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死者達は笑っていた。
野火の燃えひろがるフィリピンの原野をさまよう田村一等兵。極度の飢えと病魔と闘いながら生きのびた男の、戦争という異常な体験を描く名作。
敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。
野火の燃えひろがるフィリピンの原野をさまよう田村一等兵。極度の飢えと病魔と闘いながら生きのびた男の、戦争という異常な体験を描く名作。
敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。
- ISBN-104101065039
- ISBN-13978-4101065038
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1954/5/4
- 言語日本語
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ224ページ
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俘虜記 | 武蔵野夫人 | 野火 | |
カスタマーレビュー |
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価格 | ¥935¥935 | ¥539¥539 | ¥605¥605 |
【新潮文庫】大岡昇平 作品 | 著者の太平洋戦争従軍体験に基づく連作小説。孤独に陥った人間のエゴイズムを凝視して、いわゆる戦争小説とは根本的に異なる作品。〈横光利一賞受賞〉 | 貞淑で古風な人妻道子と復員してきた従弟勉との間に芽生えた愛の悲劇──武蔵野を舞台にフランス心理小説の手法を試みた初期作品。 | 野火の燃えひろがるフィリピンの原野をさまよう田村一等兵。極度の飢えと病魔と闘いながら生きのびた男の、異常な戦争体験を描く。〈読売文学賞受賞〉 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1954/5/4)
- 発売日 : 1954/5/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 224ページ
- ISBN-10 : 4101065039
- ISBN-13 : 978-4101065038
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,378位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年8月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は民間人として、終戦間際に召集。激戦地のフィリピン前線に送られた。
本著はフィクションでもあるが、私体験に基づいたものでもある。
民間人として招集された視点から、戦争を知らない現代人にとっても
戦場を追体験することができる名著である。
本著はフィクションでもあるが、私体験に基づいたものでもある。
民間人として招集された視点から、戦争を知らない現代人にとっても
戦場を追体験することができる名著である。
2014年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あれれ、解説に「しなかったのは何故か」とか書いてあるんだが能動的ではないとはいえしてるよな。
どういうことだ。
極限状態における人間のわがままさ、自分本位さを描き出す本作。
神だ信仰だとか言っても食欲にはかなわなかったよ、そんな話。
尊厳とかなんとか言っても所詮肉だし。
まあ私も完全に戦後世代で餓死戦死に近い状態など全く経験したことがないから、本作の描写が本当にそんなものなのかはわからないですが。
んで結局野火は何だったんだ。爆撃の目印?
どういうことだ。
極限状態における人間のわがままさ、自分本位さを描き出す本作。
神だ信仰だとか言っても食欲にはかなわなかったよ、そんな話。
尊厳とかなんとか言っても所詮肉だし。
まあ私も完全に戦後世代で餓死戦死に近い状態など全く経験したことがないから、本作の描写が本当にそんなものなのかはわからないですが。
んで結局野火は何だったんだ。爆撃の目印?
2021年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たまに無性に文学が読みたくなる。現代の受賞作を漁るのも良いけどやっぱり名作を読みたいなと思う。そこでNHKの「100分de名著」のアーカイブから見つけ出したのが、大岡昇平の「野火」。
1944年、既に戦争の主導権を失ってしまっていた日本。「決戦」などと謳いながら無謀な抵抗を続け、最後の1年間だけでおそらく200万人以上が死んでいる。その中でも数万数十万人の死者を生み出した、フィリピン、ビルマ、長崎広島、大都市空襲といった現場を舞台に数々の戦争文学が紡がれてきた。そして、フィリピンやニューギニアを採り上げるとカニバリズムが絡んでくる。これまでの自分は無意識にそのテーマを避けてきたのかもしれない。しかし、NHKの番組で紹介された冒頭部分の描写の美しさに惹かれて読むことにした。
物語は肺を病んだ田村一等兵が所属する中隊を追われるところから始まる。上官は偉そうな訓戒を垂れるが、既に米軍はレイテ島上陸に成功し、大勢は決している。彼らの中隊も現地農民から徴発した芋を大事に抱えて敗走の途上にある。
中隊からも野戦病院からも追われた田村が得たのは、自由。30過ぎの補充兵としてこの地に送られた田村は、軍隊慣れした兵士達とは異なり、フィリピンの美しい景色を眺めながら思索を巡らせることができる。そんな自由で孤独なはずの彼に付きまとうのが、野火。
農民の野焼きか、それともゲリラの合図か。米軍が迫撃砲や戦闘機の機銃による攻撃しかしてこない段階だから彼には逃げる自由が与えられているのだけど、野火は大事な場面で彼の心象に現れる。おそらく、彼は「見られている」のである。
彼は罪を犯しながらも、その許しの象徴なのか芋と塩を得る。しかしそれらも尽きると、彼に本当の試練が訪れる。瀕死の将校は彼に、俺が死んだら食べてもよいという。しかしその死後、剣を握った彼の右手を左手が掴んで止める。「汝右手のなすことを左手をして知らしめよ」、つまり内なる他人から見て恥ずかしくない行為をせよという聖書の一節から得られたこのシーン、やはり彼は「見られて」いて、ここではギリギリ踏み止まるのだが、やがて「サルを狩る」という同僚と再会し、そこから、彼の精神つまり彼の中に響く神の怒りは、限界を超えていく。
文庫本で200ページ程度の中編小説だが、その文学的価値は高い。21世紀になっても映画化(2回目)されたということは、この本を読んで心に何かを刻んだ人が多いということだ。字句の一つ一つを丹念に読ませるような、私小説を超えた「文学」はなかなか日本には少ないけれども、この歳になって文学に出会えたことに感謝し、時が来たらまた読み返してみたい。
1944年、既に戦争の主導権を失ってしまっていた日本。「決戦」などと謳いながら無謀な抵抗を続け、最後の1年間だけでおそらく200万人以上が死んでいる。その中でも数万数十万人の死者を生み出した、フィリピン、ビルマ、長崎広島、大都市空襲といった現場を舞台に数々の戦争文学が紡がれてきた。そして、フィリピンやニューギニアを採り上げるとカニバリズムが絡んでくる。これまでの自分は無意識にそのテーマを避けてきたのかもしれない。しかし、NHKの番組で紹介された冒頭部分の描写の美しさに惹かれて読むことにした。
物語は肺を病んだ田村一等兵が所属する中隊を追われるところから始まる。上官は偉そうな訓戒を垂れるが、既に米軍はレイテ島上陸に成功し、大勢は決している。彼らの中隊も現地農民から徴発した芋を大事に抱えて敗走の途上にある。
中隊からも野戦病院からも追われた田村が得たのは、自由。30過ぎの補充兵としてこの地に送られた田村は、軍隊慣れした兵士達とは異なり、フィリピンの美しい景色を眺めながら思索を巡らせることができる。そんな自由で孤独なはずの彼に付きまとうのが、野火。
農民の野焼きか、それともゲリラの合図か。米軍が迫撃砲や戦闘機の機銃による攻撃しかしてこない段階だから彼には逃げる自由が与えられているのだけど、野火は大事な場面で彼の心象に現れる。おそらく、彼は「見られている」のである。
彼は罪を犯しながらも、その許しの象徴なのか芋と塩を得る。しかしそれらも尽きると、彼に本当の試練が訪れる。瀕死の将校は彼に、俺が死んだら食べてもよいという。しかしその死後、剣を握った彼の右手を左手が掴んで止める。「汝右手のなすことを左手をして知らしめよ」、つまり内なる他人から見て恥ずかしくない行為をせよという聖書の一節から得られたこのシーン、やはり彼は「見られて」いて、ここではギリギリ踏み止まるのだが、やがて「サルを狩る」という同僚と再会し、そこから、彼の精神つまり彼の中に響く神の怒りは、限界を超えていく。
文庫本で200ページ程度の中編小説だが、その文学的価値は高い。21世紀になっても映画化(2回目)されたということは、この本を読んで心に何かを刻んだ人が多いということだ。字句の一つ一つを丹念に読ませるような、私小説を超えた「文学」はなかなか日本には少ないけれども、この歳になって文学に出会えたことに感謝し、時が来たらまた読み返してみたい。
2019年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の初版は昭和29年4月である。
なぜ、今頃、読んで見たいと思ったか。
実は、この前に中公新書の「日本軍兵士」を読んでいて、太平洋戦争における日本兵死者の半分近くは餓死であることを知った。そして、「日本軍兵士」は読売新聞の書評欄で取り上げられ、その書評の中に大岡昇平の「野火」が日本軍の飢餓を良く描写してある小説として取り上げられていたのである。
そういえば、「野火」は昭和34年に船越英二(栄一郎の父親)主演で映画化され好評を得ていたことを思い出した。
それが、この古い小説を読んで見ようと思ったきっかけである。
太平洋戦争の中の、レイテ島の争奪戦で日本軍は完膚なきまでに米軍に叩かれチリヂリになっていた。
敗残逃亡の中を歩いてようやく日本軍の野戦病院をみつけた兵士田村は、食料を持っていないことを理由に入院を断られる。ここで安田という一筋縄ではいかない古参兵と知り合う。
病院も爆撃され、日本兵は思い思いに逃避行を続けるが、食料の不足はいかんともしがたい。服や靴は敗れ、乞食のよウになって、逃避行を続けるが、安田とその仲間がサルの肉を食っているのを知り、分け与えてもらう。
体の丈夫なものは、サル狩りに出掛け、田村もそのうまい肉を貪り食ったが、のちにサルとは実は日本の敗残兵のことだと知る。
救いのない話だが、最後は田村は米軍に助けられて日本に帰還、精神病院に収容される。
作者大岡は、最後の救いとして、この小説の結末が、事実か精神病者の妄想か分からないようにして終えている。
それにしても、敗戦後すぐに書かれたと思われる、当時の作家の文章力、表現力の確かさはどうだ。昨今の新人作家の及ぶべくもない。レイテ島の自然描写の流麗さ一つを取ってみても、昔の作家がいかに日本語を勉強していたかが知れるのである。
なぜ、今頃、読んで見たいと思ったか。
実は、この前に中公新書の「日本軍兵士」を読んでいて、太平洋戦争における日本兵死者の半分近くは餓死であることを知った。そして、「日本軍兵士」は読売新聞の書評欄で取り上げられ、その書評の中に大岡昇平の「野火」が日本軍の飢餓を良く描写してある小説として取り上げられていたのである。
そういえば、「野火」は昭和34年に船越英二(栄一郎の父親)主演で映画化され好評を得ていたことを思い出した。
それが、この古い小説を読んで見ようと思ったきっかけである。
太平洋戦争の中の、レイテ島の争奪戦で日本軍は完膚なきまでに米軍に叩かれチリヂリになっていた。
敗残逃亡の中を歩いてようやく日本軍の野戦病院をみつけた兵士田村は、食料を持っていないことを理由に入院を断られる。ここで安田という一筋縄ではいかない古参兵と知り合う。
病院も爆撃され、日本兵は思い思いに逃避行を続けるが、食料の不足はいかんともしがたい。服や靴は敗れ、乞食のよウになって、逃避行を続けるが、安田とその仲間がサルの肉を食っているのを知り、分け与えてもらう。
体の丈夫なものは、サル狩りに出掛け、田村もそのうまい肉を貪り食ったが、のちにサルとは実は日本の敗残兵のことだと知る。
救いのない話だが、最後は田村は米軍に助けられて日本に帰還、精神病院に収容される。
作者大岡は、最後の救いとして、この小説の結末が、事実か精神病者の妄想か分からないようにして終えている。
それにしても、敗戦後すぐに書かれたと思われる、当時の作家の文章力、表現力の確かさはどうだ。昨今の新人作家の及ぶべくもない。レイテ島の自然描写の流麗さ一つを取ってみても、昔の作家がいかに日本語を勉強していたかが知れるのである。
2019年10月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
序盤の土地の描写と比喩の連続が読みにくく、文体も硬く退屈かもなと最初は思っていたのですが、
物語が動き出すと胸を打つ凄まじい小説でした。
レイテ島を彷徨する主人公の目を通して戦地の映像が伝わってきて、
胃を圧迫されるような吐き気が読書中ずっと付き纏っていました。
兵士たちとのやりとりは印象的な場面が多く、
自分自身もその場の一員になったかような感覚に陥ります。
内省的な場面は哲学的であったり宗教的であったりでわかりにくい表現もありますが、
くどくどしさはないので読みにくくはないです。
他の作品もすぐにでも読んでみたいと思わせる力強い作家さんでした。
物語が動き出すと胸を打つ凄まじい小説でした。
レイテ島を彷徨する主人公の目を通して戦地の映像が伝わってきて、
胃を圧迫されるような吐き気が読書中ずっと付き纏っていました。
兵士たちとのやりとりは印象的な場面が多く、
自分自身もその場の一員になったかような感覚に陥ります。
内省的な場面は哲学的であったり宗教的であったりでわかりにくい表現もありますが、
くどくどしさはないので読みにくくはないです。
他の作品もすぐにでも読んでみたいと思わせる力強い作家さんでした。
2019年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次世界大戦末期のレイテ島における敗残兵の彷徨を一人称で記すことで、極限的な状況における人間の心理を描く。
「復員後」を描く最後の3章の位置づけが私には分からなかったし、吉田健一の「大岡昇平氏の作品を読めば読む程、日本の現代文学に始めて小説と呼ぶに足るものが現れた(p.210)」という評価の当否も私には下せない。ただ、その程度の浅い読みでも、本書がすさまじい迫力で読者に迫ってくることは分かる。
著者自身の従軍体験や、捕虜として著者と知り合った元兵士の体験なしには本書は書かれなかっただろう(「現在私の持っているレイテ島の戦闘に関する知識は、大抵この帰りの船中で得られたものである」と『俘虜記』にある)。しかし、本書を「戦争文学」と呼ぶことが妥当なのか私はいささか迷う。「戦争」そのものが主題とも考えにくいところがあるからだ。
本書の描写は視覚的で、これは映画化したくなるだろうなと思った。
「復員後」を描く最後の3章の位置づけが私には分からなかったし、吉田健一の「大岡昇平氏の作品を読めば読む程、日本の現代文学に始めて小説と呼ぶに足るものが現れた(p.210)」という評価の当否も私には下せない。ただ、その程度の浅い読みでも、本書がすさまじい迫力で読者に迫ってくることは分かる。
著者自身の従軍体験や、捕虜として著者と知り合った元兵士の体験なしには本書は書かれなかっただろう(「現在私の持っているレイテ島の戦闘に関する知識は、大抵この帰りの船中で得られたものである」と『俘虜記』にある)。しかし、本書を「戦争文学」と呼ぶことが妥当なのか私はいささか迷う。「戦争」そのものが主題とも考えにくいところがあるからだ。
本書の描写は視覚的で、これは映画化したくなるだろうなと思った。