My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

もう自分を根本的に変えなければヤバイ、と思ったとき

2010-05-02 03:31:48 | 8. 文化論&心理学

書きたいことは山のようにあるのですが、長く説得力のあるエントリを執筆している精神的余裕が無くて、ブログ更新が滞ってます。
とりあえず、来週金曜が修士論文締め切りなので、それまでは余裕がない・・。
前のMBAの記事の続きも半分以上は書けているのですが、まだ上梓するレベルに達してないので、寝かせてます。
でも、余り長く更新しないと、待ってる人もいるし、コメ欄が荒れたりもするようなので、
これからしばらく日々思うことだけ簡単に書いていこうかな、と思います。

さっきTwitterに書いた内容なのですが。

Lilac_log
1:08pm, May 01

若い頃の成功・実績(Achievement)は、個人の才覚や短期間の瞬発力だけでも成し遂げることが出来るが、年をとるにつれ、求められる実績の大きさが大きくなり、成功するために多数の人の協力や長期的なゆるぎない努力が不可欠となる、と思う。自分のパターンを変える転機が来ていると感じる。

少なくとも20代前半のころは、学校や仕事上で成し遂げる「実績(Achievement)」が、
最後は個人の力とか、短期間に集中してやれるかどうかがネックだったりした。
最後の数日徹夜をして完成させるとか、
チームワークであっても、チームの中で自分だけアウトパフォームすることで、
問題が解決したりすることもあった。

ところが、20代も終わりに近づいたころから、私はそういうやり方に限界を感じるようになってきた。
少なくとも、今の自分の成功パターンが、30代後半、40代に入っても通用するやり方とは思えなくなってきた。

年をとるにつれ、「年相応の実績」がどんどん大きくなり、幅が求められるようになってくるだろう。
そして、自分の才覚や、その場の瞬発力だけではとても成し遂げられなくなる。
もっと長期にわたって粘り強く、安定して推し進める力や、
異なる能力を持つ他の人に協力してもらって、やり遂げる力がないと、
それだけの大きな成功は成し得ないのではないか、と感じるようになってきたのだ。

恐らく、瞬発力があって、個人力に頼って生きてきた人ほど、同じ思いをしている方は多いと思う。
業種にもよるかもしれないが、中には、本当に個人としての能力が高くて、
30代後半になっても、個人戦をし続けてる方はもちろんいる。
私自身は、20代が終わる頃に、ぼんやりとだが、限界が見え始め、当たり前のことに気が付きはじめた、という感じか。

変な話だが、自分を徐々に改変していかないと、「三十歳すぎたらただの人」になってしまう、という危機感があった。
いや正確に言うと、「あの人、頭はいいかもしれないけど、変な人だよね」で終わってしまうだろう。

それとも、「出すぎた杭は打てない」というが、ずば抜けてぬきんでていれば、それでもいいのか?

自分がどういう一個の人間として、何を成し遂げて、この人生を終わりを迎えるのか、
どうも、今のままでは良くない気がしたのだ。

実はそれが最初にMBAに行こうと思った理由の一つでもあった。
MBA自体は、そうは言っても学校なので、個人戦が求められる箇所の方が多い。

でも、20代後半にぼんやりと迷っていたことを、今では明確に自分のあり方を変えなければダメだ、
と自覚するところに至り、改善しようと日々努力するまでになったのは、
自分の性格と自分の将来を見つめなおしつつ、
色んな世代とバックグラウンドの人たちに囲まれながら勉強したり、
インターンやTAとして、今までとは違う環境で働いてみたり、
論文などを書いて何かを達成してみようとしたり、
今までとは違う、人間関係構築にもそれなりに苦労したからなのかな、と思う。

MBAに限らず、社会人になってから大学に戻るのは、
そういう根本的な自分の方向転換をしていく際にも使えると思う。
どんな人でも、色んな意味で、色んな時期に、「今までの自分のやり方じゃもうまずいんじゃないか」
と感じる瞬間があるはず。
そのときに時と場合に応じた「サバティカル」を取ればいいのだとおもう。

私の場合はそれが、「個人の才覚や瞬発力に頼らない、長期間の安定した、多数の人の才覚を生かした成功を目指す」ということだった。
うまく表現できてるか、分からないけど。

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13 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
組織のリーダー (yumemakura)
2010-05-02 06:32:36
組織のリーダーになるには、洋の東西を問わず事業に対する情熱、人間としての魅力、胆力、見識、部下に対する愛情がなければ人はついてこないと思います。学歴や語学力は小さいこと。

MBAがあまり日本で評価されないのはそのあたりを見てるのかもしれない。アメリカは案外、学歴社会で会社幹部は出世するためにほとんどマスター(修士号)はもってますが、日本では企業トップもほとんど学士でしょう。
Unknown (毒舌批評家)
2010-05-02 09:33:03
>「あの人、頭はいいかもしれないけど、変な人だよね」

むしろ、僕は周囲から「変な人」と思われても構わないから、
自分の短所よりも長所を成長させていきたいと考えるようになりました。

サラリーマンでいたときは自分の欠点を何とか改善する方向で進めたのですが、
やはり自分の素質に逆らうのには無理があり、身体も壊したため、
原点回帰することにしました。

協調性も社交性もないし、空気も読めないそうですが、
そんな「欠点」はひとまず保留して、人より優れていると思われるところを
成長させる方を選択しました。

周囲の評価よりも、自分に適していることの方がやっていて楽しいはずですから。
瞬発力勝負だった頃 (野田一丁目。)
2010-05-02 10:17:26
私の20代は、まさしく瞬発力勝負でしたね。納期間際になっても課題が解決しないまま徹夜作業を繰り返しているウチに自分でも驚くようなアイデアが沸いて解決したことが何度もありました。(神が降りてきたような体験でしたよ)
当時、漠然と行き詰まるとは思ってましたけど、団塊世代の上司たちが大した実績もないのに出世して行くのを見て、社内政治だけ気をつけていれば大丈夫かな、と自己研鑽することを怠ってしまったのが私の運のツキでした。(苦笑)

では論文頑張ってください。
それぞれの時代 (元SE)
2010-05-02 11:22:54
ちきりんさんの記事で、それぞれの年齢で、何をすべきかを書いた記事があります。ご参考にしてください。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20061122
マネジャー≠リーダー (裏目の鶏)
2010-05-02 11:51:24
■僕は31歳で工学の研究の世界にいますが、激しく同感します。

■「瞬発力」で何とかなる時期は確かにありました。「いち選手として」ということだと思います。その時期にアウトパフォームすることも絶対に大事だったと思う。

研究の世界では、実験に集中できる人間は「才能が高い」といえます。しかし、その才能を生かせるのは「ひとりでできる範疇」のみです。

■>「個人の才覚や瞬発力に頼らない、長期間の安定した、多数の人の才覚を生かした成功を目指す」

これは頭の別の部分を使うことになると思いますね。瞬発力でやってこられたLiacさんが、ひとつ上の段階つまり「質の高いマネジメント能力」を目指しておられるのだと思います。この能力が高ければ状況に応じて最適なやりかたを打てる。長期的・・・外部環境が変化しても重要な人が抜けても巧くやっていける、そうなりたい、という意思を感じます。

サッカーでいえば、めっちゃ走り回れる選手からキャプテンになることでしょうか。

■しかしながら、MBA系の皆さんにひとつ言いたいことはマネジャーとリーダーを分けて考えてはどうでしょうか?ということ。

リーダーとマネジャーの違いは
・マネジャー自身も選手であること。
・周囲を巧く動かすのがマネジャー。リーダーが動かすのは周囲でなく全体(見たことも会ったこともない人を動かす)。

■工学の研究の世界ではいきなりリーダーというパスは存在しませんん。優れたリーダーは、全員、元・優れた選手です。ビジネスではそうではないと思います。

最初からリーダーを目指す人もいる。個人選手→マネジャー→リーダーとステップを踏む人もいる。

いかがでしょうか。
えーー (石川)
2010-05-02 11:53:22
いつまでも、若いと、自分で洗脳していると変われないだろうね。

とにかく、自分で自分を洗脳している人が多いよ。だいたい、勉強なんて、社会と自分とで洗脳しているようなもんだし。

すべては、環境です。環境が狭い人は、駄目です。
正論ですが日本人向けではないかも。 (alpha)
2010-05-02 12:08:46
今って個人の裁量がかつてない位大きくなってきてると思うんですけどね。
webのお陰で。

アメリカの事情はさっぱり解りませんが
日本だと失敗がスティグマになる文化的土壌があるので、
専門能力を持たずに「人間関係だけで廻せばいい」とか
「組織内での調整力こそ全て」みたいな人間が生まれやすいです。

そういう人は人間関係を取り持って軋轢を上手に避ける事に特化しているので、
失敗が目立たず出世しやすく権力を握りがちです。
またそういった人間はチャレンジを拒否する体質で上手く行ってきたという実績がありますから、
そんな人が上へ行けば行くほど組織が更に硬直化してしまう。

日本人に向けて言うならチームワークの重要性より個人の能力を限界まで上げろ、
という方が向いているのではないでしょうか。
逆説的ですが「個人で戦える強い人」でないと
チームの重要性を幾ら述べても説得力は無いように思います。
Unknown (Lilac)
2010-05-03 00:45:56
@Yumemakuraさん
なるほど、そうですね。
アングロサクソンの方がよりトップダウン型の強いリーダーが求められる、という違いはありますが、本質的には変わらないでしょう。

@毒舌評論家さん
なるほど。
結局、自分がやりたいことと自分らしさを、どっちかに収束させていかないとならないって話なんですよね。

@野田一丁目。さん
野田一丁目さんの過去暴露話(?)がいつも面白いです。
頑張ります(汗)

@裏目の鶏さん
私はマネージャーとリーダーを分けることにそこまで意味があるのかな?とも思います。
仮に分けたとして、MBAの人はマネージャーが出来る人は多いです。
人をひきつけて、その人の能力を最大限発揮できるマネージャーになるのが難しいんじゃないですかね?
それってリーダーシップってことなんじゃないかと思います。

@石川さん
私も環境は大事と思いますね。
いくら自分が変わろうと思っても、環境が変わらなければ難しい。

@Alphaさん
なるほど、日本には個人力がなくて逆に組織を調整する力に頼りすぎてる人が多いから、逆に個人力をつけるべき、ということですね。
全ての日本人がそうではないと思いますが、それには全く同感です。

>そういう根本的な自分の方向転換をしていく際にも使えると思う。
どんな人でも、色んな意味で、色んな時期に、「今までの自分のやり方じゃもうまずいんじゃないか」
と感じる瞬間があるはず。

と書いたのはそういう意味も含めてでした。
そしてMBAはそういう人たちが個人力をつけるのにも最適ですし。
もっともその人たちが「そろそろこれだけじゃやっていけない」と気づくことが大切なのですが。
非常に (ベリー)
2010-05-03 09:16:17
非常に勉強になります。
有り難うございます。
今後もブログ楽しみにしております。
コメントでは伝えきれない (ysjournal)
2010-05-03 10:28:11
Lilacさん
お忙しいのに、私のブログにいろいろとコメントありがとうございました。

さて、最近、私的に衝撃的な(思わず、プライベート暴露系)エントリーが無くてツッコミコメントしてないのですが、1つ1つのエントリーが、変なコメントも含めて考えさせられるの物が多くて、結構真面目に読んでまうす。自分のなかで熟したら、TBさせてもらって、自分の方で書こうと思っています。

論文頑張って下さい。

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