米アップルのジョブズ氏が病気で休養 CEOは継続
【シリコンバレー=岡田信行】米アップルは17日、スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO、55)が病気治療のため休養すると発表した。日常業務はティム・クック最高執行責任者(COO)が代行し、CEO職にはとどまる。ジョブズ氏は2009年にも約半年休養しており、業績も株価も好調な同社にとって、カリスマ経営者である同氏の健康問題は大きな懸念材料だった。
ジョブズ氏は従業員に送った電子メールで「CEOとして戦略的意思決定に関与する」と表明。一方で「ティム(クックCOO)をはじめ経営陣を信頼している」とし、日常業務への影響はないと強調した。前回09年1月の休養発表では「6月末まで」と期限を明示していたが、今回は「できるだけ早く」とするにとどめた。
ジョブズ氏は04年に膵臓(すいぞう)がんの手術を受け、09年の休養ではクックCOOが業務を代行。その後、肝臓移植を受けたと公表している。
今回の発表は対外的な影響を考慮して米株式市場の休場日を選んだとみられるが、株主からは2月の株主総会に向けて「CEO後継計画の開示」を求める提案が出ている。ジョブズ氏の不在が長引けば、後継問題がさらに注目を集めそうだ。
アップルは1976年にジョブズ氏が友人と創業。携帯音楽プレーヤー「iPod」や高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」、多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」などヒット商品を次々と生み出し、アップルを世界有数の企業に育てた。