時間の読みが甘かったり、タイムマネジメントがゆるいと、時間ばかりが過ぎてなかなか成果が上がりづらくなるもの...。そこでこちらでは、心理学者のJane B. Burka氏とLenora M. Yuen氏の共著『Procrastination: Why You Do It, What to Do About It NOW』を参考に、自分の体内時計をリセットし、よりストレス低く成果を上げるポイントをまとめてみました。

 1: 時間感覚を身につける

110117timemanagement2.jpgPhoto by Jon Mitchell.

ヒトは、加齢やドーパミンのレベル、希望的観測などによって、時間の経過を正しく判断する能力が下がるのだとか。正しい時間感覚を取り戻すためには、実際どれだけの時間がかかっているかを計測することが第一歩。これまで生活のベースとしてきた認識と実際の時間との乖離を発見し、実際の時間をベースに生活パターンを見直すことがポイントです。

たとえば、「通勤時間は20分」だと思い込んでいるとして、実際に計測してみると、朝のラッシュで通勤に35分かかっていることがわかった場合、10分早く起きてシャワーを浴びることなどが必要かもしれません。

時計を身につける習慣のない人は、時計を身につけてはいかがでしょう。また、カンタンなメモでいいので、1~2週間程度、自分の時間の履歴を記録してみましょう。Android向けアプリ『Timr』のように、スマートフォンアプリを活用したり、デスクで過ごす時間の長い人は、デスクトップベースの時間履歴ツールを使うのも一法です。通勤、レポート作成、夕飯の調理など、日常的な活動に実際どれだけの時間を費やしているか? を正しく把握できます。

2: 時間の使い方を学ぶ

110117timemanagement3.jpgPhoto by Patrick Hoesly.

スケジュールを目一杯に詰めるのでなく、あえて「すき間」を残しておくという「スイスチーズ方式」は有効。たとえば、あるタスクをやり遂げるのに10時間かかるとして、10時間ずっとそのタスクに取り組まなければならないわけではありません。大きなタスクを細分化し、タスクの種類ごとに分類したほうが、仕事をこなしやすくなります。

また、タイマーを使うと明らかな区切りがつけられ、仕事に集中しやすくなります。このテーマについては、ライフハッカーアーカイブ記事「タイマーを使って『集中』モード! シンプルな生産性向上のススメ」や「短時間タスクに集中してGTDにつなげる『キッチンタイマー方式』」もあわせてご参考まで。

3: 邪魔を予測する

110117timemanagement4.jpgPhoto by Michael Karshis.

予定どおりに物事が進まないのは世の常。大なり小なり「邪魔」は入るものです。レポート作成のために取っておいた時間を、お客さんへの緊急対応に充てざるを得なかったり、大雨や雪によって、仕事の開始が2時間遅れたりと、せっかくのスケジュールが外部要因に影響されることは、ままあります。可能な限り、仕事は先取りして進めましょう。スケジュールより前倒しで進めていれば、多少の「邪魔」が入っても、他の仕事に遅れをきたすといった事態を防げます。

4: 効果的に頼む

110117timemanagement5.jpgPhoto by tableatny.

「なんでも自分でやってしまう」という姿勢は、ベストなタイムマネジメントといえない面も...。「その仕事をきちんとできるのは自分だけ」という思い込みや、「すべてをやり遂げることこそ善」という価値観などから、自分の仕事を他人に頼むことをためらう人は多いですが、これによって、こなしきれないほどの負荷がかかってしまうことにもなりかねません。ライフハッカーアーカイブ記事「自称『頼み下手』の開発者が綴る、頼み上手になるための基本3ステップ」を参考に、仕事を効率的かつ効果的に他人に頼むスキルも磨きましょう

5: 自分にとっての「最良タイム」を特定する

110117timemanagement6.jpgPhoto by Martin Petitt.

「コーヒーさえ飲めば、いつでもパワー全開」と錯覚しがちですが、実際は、調子の上がる時間帯、下がる時間帯があります。ライフハッカーアーカイブ記事「朝型と夜型でパフォーマンスのピークが違うらしい」でも述べたとおり、朝のほうが冴えているという人もいますし、日が落ちてから調子がよくなってくるという人もいます。自分にとって、もっともシャキっとしていて効果が上がるのはいつなのか? に注目しましょう。このテーマについては、ライフハッカーアーカイブ記事「『意思決定タイム』を設定すると、意思決定がスムーズにできるらしい」でも採り上げています。

勤務時間にエネルギーレベルを高めるためには、食事に気をつけるのも一法。米Lifehacker記事「Eat Your Way to a High-Energy Workday(エネルギーの高い状態で勤務時間を過ごすための食べ方・英文)」を参考に、勤務時間や仕事サイクルにあわせて、効果的にエネルギー補給するための食事を実践しましょう。また「今度こそベストな睡眠サイクルを手に入れるための9+3の方法」により、必要に応じて睡眠サイクルを見直すこともポイントです。

6: 休憩もスケジュールして、しっかりとる

110117timemanagement7.jpgPhoto by d3b.

グズグズしがちだったり、タイムマネジメントが苦手な人は、余暇の時間を効果的に取ることを見過ごしがち。どのタイミングで仕事を止め、家族や娯楽、睡眠、休息といったプライベートに時間を充てるかを知ることも、タイムマネジメントの大事な一部です。

まずは、自分の時間の使い方とバイオリズムを可視化し、これに合わせて現実的にスケジュール立てすることが、ポイントのようですね。また、予定外のことにも対応できるよう、時間的な余裕を確保して、スケジュール立てするとよさそうです。

Burka氏とYuen氏が提唱するタイムマネジメント法については、著書『Procrastination: Why You Do It, What to Do About It NOW』(英著)で詳しく紹介されていますので、ご関心のある方はご一読くださいね。

Jason Fitzpatrick (原文/訳:松岡由希子)