ペタバイトをやっと覚えたみなさまにヨッタバイトのニュースがきましたよ。
9-11後のテロ監視強化でCIAに代わって権勢を奮う米国家安全保障局(NSA)が、ユタ州に20億ドル(1816億円)の超巨大ストレージを建造中です。この人里離れた窓ひとつないサイバー情報の総本山には、メール、通話など全国民が交わすあらゆる形態の電子通信記録を保管し、テロ分子の洗い出しなんぞ行います。
気になる容量ですが、このほどペンタゴン(国防総省)のシンクタンク「MITRE Corporation」がまとめた報告書で、おおよその規模が判明しました。
「各種監視任務のセンサーが改善するにつれ、データ量は増しており、2015年までにはヨッタバイト(10の24乗バイト)の水準に達する可能性もある」
キロ、メガ、ギガ、テラ、ペタまでは知ってても、その上は知らんぞ!―という方のために説明するとペタの次は1000の6乗がexa(エクサ)、7乗がzetta(ゼッタ)、8乗がyotta(ヨッタ)と続くんでございますよ。CrunchGearがこう分かり易く書いてます。:
ギガバイトが1000個あるのがテラバイト、テラバイトが1000個あるのがペタバイト、ペタバイトが1000個でエクサバイト、エクサバイトが1000個でゼッタバイト、ゼッタバイトが1000個でヨッタバイト。 つまりヨッタバイトは、1 000 000 000 000 000GBのこと。
日常使ってる単位に比べると無限大みたいなもんですかね。(あのNSAなら2週間もありゃ満杯にできるだろうし、何ヶ月か後にヨッタバイトのiPod出てもおかしくないとは思いますけど)。
キーストロークひとつ、バイトひとつ逃さずバキュームカーのようにデータを吸い上げ、無限大近い「ライブラリ」に保管。スパコンで高度なアルゴリズムのプログラムにかけて、テロ分子および予備軍を篩い分けるんですね。
ダン・ブラウンは処女作『パズル・パレス』に寄せて、NSAは「そんな機関はない(No Such Agency)」あるいは「まったく何も言わない(Never Say Anything)」の略という諜報アナリストのジョークを紹介してますけど、「そんな機関はない」どころじゃない規模ですよね!
実際問題ヨッタバイトまで確保するのは容易じゃなくて、保管できるのはせいぜい数百ペタバイトというのが現実的な数値みたいですけど、いずれにせよこのセンター1ヵ所でソルト・レーク・シティ全市の消費電力並みの電力を使うんだそうな。どこまで続くものやら空恐ろしいですね。
以上の情報は、Matthew M. Aid著『The Secret Sentry: The Untold History of the National Security Agency(秘密の番兵:国家安全保障局の歴史)』 に収監のものです。パラノイアな人はこういうの読むんでしょうね。僕マーク・ウィルソンには人に見られて恥ずかしい生活や情報はこれっぽっちもないのでNSAを怖がる理由もないけど。
[NYBooks via CrunchGear]
Mark Wilson(原文/satomi)