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医療

季節性インフルエンザの予防接種で新型感染リスクが倍増? 43

ストーリー by reo
あっちをたてればこっちが 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

季節性インフルエンザの予防接種を受けた人は新型インフルエンザへの感染確率が 2 倍になるというカナダの研究が現在査読を受けているそうだ (The Globe and Mail の記事本家 /. 記事より) 。

研究はカナダ国内のみを対象にしており、アメリカやイギリス、またオーストラリアでは同様の報告は挙がっておらず「研究上の偏り」があるのではとの声もあがっている。しかしこの研究には著名な研究者らが関わっており、統計はカナダの 3 州にまたがる 1200 万人から 1300 万人と非常に多いサンプル数から取っているとのことで、カナダのマニトバ大学の成人感染症専門家 Ethan Rubinstein 博士に曰く確かな研究内容であるとのこと。

しかし統計的な関連が証明されたとしても、医学的見地からの関連を証明するのは難しいという。季節性インフルエンザワクチンが免疫を作りだす細胞の多くを使ってしまうため新型インフルエンザへの抗体が体内で作られるのを防いでしまうのでは、といった仮説などが立てられているそうだ。

なお、カナダではこの研究を受け、ケベック、アルバータ、サスカチェワン、オンタリオとノバスコシアの 5 州においては 65 歳未満への季節性インフルエンザ予防接種の一時停止を決めたそうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月06日 17時44分 (#1649524)

    ワクチンについて勉強しましょう。

    インフルエンザワクチンについて
    http://www.nih.go.jp/niid/topics/influenza01.html [nih.go.jp]

    抗原原罪とブースター効果についても勉強しましょう。

    プレパンデミックワクチンは‘YES’か‘NO’か
    http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200811/... [nikkeibp.co.jp]
    (2008年当時の鳥インフルエンザに対するプレパンデミックワクチンの話であることには注意)

    #ブログを紹介してる場合じゃないよ

    • ホスキンス効果が出ても、血中抗体は十分に上昇する。
      ...つまりは、リスクが上昇するのは織り込み済みだし、それでも効果あるし、別に感染しなくなるわけでもないし、重症化は防げる(脳症)、ということかな?

      かなり乱暴にまとめてみたけど。

      そういえば、老年齢の死亡リスクに肺炎(サイトカインストームにあらず)があり、確かこれの予防接種、一回しか予防接種できない(国が定めている)から、複数できるようにしてよ、とか提言でてませんでしたっけ? > A/H1N1-pdm (2009)

      なんか、かなり無理やりなコメントまとめしている気が...
      --
      # 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
      親コメント
      • > そういえば、老年齢の死亡リスクに肺炎(サイトカインストームにあらず)があり、確かこれの予防接種、一回しか予防接種できない(国が定めている)から、複数できるようにしてよ、とか提言でてませんでしたっけ? > A/H1N1-pdm (2009)

        自己補足しておくと、感染症学会のコメントにありました。
        > しかも、他の細菌より重症となる確率が高いので最も警戒すべき原因菌であり、その重症化を抑えるのに有効な肺炎球菌ワクチン14)の接種が行われるべきです。

        > その原因の一つにわが国のみがこのワクチンの再接種を承認していないことがあると考えられています。

        http://www.kansensho.or.jp/news/090914soiv_teigen2.html [kansensho.or.jp]
        --
        # 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
        親コメント
    • んーと、抗体依存性感染増強については、実はインフルエンザウイルスでも報告はあります。例えば、 [nih.gov] [nih.gov] [nih.gov]の論文あたりが直接的に見たものになります(というか、この15年以上前に出た3報(2つの研究グループ)くらいしかないのが現状だったり)

      抗体依存性の取り込みというのは、Fc受容体を細胞表面に発現してる、いわゆる食細胞系の細胞が行うものであって、そうでない細胞には*あまり*関係がありません。従って、食細胞をメインの標的にしているウイルスではその効果が大きくなると考えられますが、そうでないウイルスにとってはあまり大きな効果は見られない、と考えるべき現象じゃないかと。実際、上記の論文でもマクロファージ系の細胞株で見てるか、単に細胞内への取り込みの段階(取り込まれた後のウイルス増殖には触れてない)だけで見てるかのどちらかです。
      ヒトのインフルエンザの場合、生体内でのウイルスの主な標的は気道上皮細胞です。一応、メカニズムだけから考えると、食細胞系「でも」増殖は可能だろうと思われますが、実際にそれが生体内でどれだけ寄与してるのかは怪しいというか。

      またインフルエンザウイルスみたいにメジャーなウイルスで、しかも抗体依存性感染増強みたいに面白い現象が起こり、それに意味があるのであれば、もっと多くの報告があっていいんじゃないかとも考えられますから……現状はっきりとしたことはもちろん言えませんが、以上を総合的に考える限り、おそらくはあまり実際の現象とは結びついてないのではないかと思います。
      ……というか、むしろこの現象については、他のコメントで名前を出してる人もいましたが「抗原原罪」として、むちゃくちゃ古くから知られ [nih.gov]、Natureなんかでも紹介され [nih.gov]、多くの研究者が議論しつづけてきた現象に相当しますので。そっち方面の文献も(というか、むしろそっちを中心に)調べた方がよろしいかと…。
      親コメント
    • by imaic (31975) on 2009年10月06日 13時36分 (#1649398) 日記

      感染増強(2度目にかかると悪化する)話と、今回の感染リスクが上がる
      (罹患率が上がる)という話を混同しているようなブログ紹介するなよ。

      親コメント
      • by marinkarin (10618) on 2009年10月06日 14時58分 (#1649451)
        それは申し訳ありませんでした。確かに「罹患」と「重症化」の話はコメントでも指摘が出ていますね。
        ではこちらで(最初に書いたブログのさらに元記事です)。
        季節性ワクチン打ったらヤブヘビ?(新型インフルエンザ) [goo.ne.jp]
        季節性ワクチン・ヤブヘビ報道の続報(カナダ) [goo.ne.jp] ”季節製ワクチンヤブヘブ報道”フォロー(重症化とは無関係) [goo.ne.jp]
        最後のところに「罹患リスク」と「重症化リスク」は無関係っぽいという話が書いてあります。つまり(二倍ぐらい)かかりやすくはなるけど,重症化するわけではない(って報告が上がってレビュー中)。

        あと見ず知らずのあなたがなぜ僕にそんな口をきけるのかを教えていただけると助かります。
        親コメント
        • by Anonymous Coward

          ~するなよというのは,やや強い言い方ではあると思いますが,いんたーねっとでは普通のレスの範疇では?
          いちいち丁寧語にするのもだるいし.

          #なんか,文字文化に慣れていない印象を受けます.

          • by Anonymous Coward on 2009年10月06日 15時54分 (#1649478)

            ×:文字文化
            ○:匿名に甘えた無礼者

            親コメント
          • そんな言葉遣いを普通と感じるのはかなり限られた範囲だけでしょう。

            それを「文字文化」と言ってしまうのはどうかと思います。

            ここは怖いインターネットですね。

            親コメント
            • by Anonymous Coward
              元々転送量にシビアな世界だったから、丁寧語じゃないのも普通でしょ。
              forを4とかyouをuとかpleaseをplzとかが当たり前の世界だったじゃないか。
              文字でのコミュニケーションは日本語BBSでの文化だから、インターネットの文化と混同するのはどうかと思う。
            • by Anonymous Coward

              そのリンク先は不適切だとぶっきらぼうに指摘してるだけだと思うんだが。
              極々普通だと思うぜ。何か問題あるかい?

              少なくともその後の慇懃無礼なコメントより何倍も好感が持てるよ。

              • by Anonymous Coward
                こ、この流れでは、

                > 少なくともその後の慇懃無礼なコメントより何倍も好感が持てるよ。

                あなたが好感を持つかどうかなど、
                誰も気にしていないと思います。

                …という、回答がつきそうだと思った。

                # 思わず
            • by Anonymous Coward
              × ここは怖いインターネットですね。
              ○ ここは怖いインターネッツですね。
        • by Anonymous Coward

          インフルエンザに関する話題はとにかく混乱を招きやすいので慎重になるべきだと思う。

          インフルエンザ菌 [wikipedia.org]なんて、医療技術にも限界があることを示すために、名前を残してあるようなものだね。

          #紛らわしいので名前を変えるべきだと昔は思っていた。

  • by sunnydaysundey (32697) on 2009年10月06日 13時09分 (#1649364)
    片方だけにせずに両方の予防接種すればいいじゃん、と思ったんだけど
    それじゃ駄目なのかな??
    • Re:両方受ければ (スコア:4, 参考になる)

      by y_tambe (8218) on 2009年10月06日 14時15分 (#1649422) ホームページ 日記
      以前書いたコメント [srad.jp]とか、新型発生前に書いてた日記 [srad.jp]も示しておきますが、一般的にインフルエンザワクチンでは、混ぜる種類を多くしていくとそれぞれに対する効果は減弱するという現象が以前から知られてますので。なのでわざわざ毎年、流行株の予測なんてのをやっていたわけです。
      おそらく将来的に見ると、何年か後には、現在の新型に対するものも含めて、混合ワクチンという形での接種に(少なくとも日本国内は)移行していくと思いますが、現在ではそれよりもまず「新型に確かに効くワクチン」の方が必要だというわけです。
      親コメント
    • Re:両方受ければ (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2009年10月06日 13時27分 (#1649389)

      ニュース見てますか?
      新型インフルエンザ用のワクチンが足りなくて、優先度の高い人にしか接種できないという状況なのです。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      季節性インフルエンザのワクチンって複数の型の混合になっている
      のでその中に新型のワクチンを混ぜてはダメなんですかね?

      治験が間に合わないらしいですね。
      http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200904/... [nikkeibp.co.jp]

      両方同時にやると副作用が出るかも知れません。

      Seasonal shot gets OK
      http://thechronicleherald.ca/Cana [thechronicleherald.ca]

    • by Anonymous Coward

      蠱毒?

    • by Anonymous Coward

      私がつとめている保育所では、新型2回、季節性1回の計3回が予定されています。
      それなりの値段にはなりますが。

  • 人混みで感染かも (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2009年10月06日 14時05分 (#1649412)
    単純に、季節性のインフルエンザの予防接種で病院という人混みに行ったので新型に感染しました。
    と言う落ちでは・・・ ないですよね

    # 病院に行くと風邪を引くので ACでマスク
  • by Anonymous Coward on 2009年10月06日 14時43分 (#1649437)

    以前から抗原原罪効果により季節性ワクチンを投与後、新型ワクチンを投与しても
    抗体生産が少なくなってしまうという懸念は挙がってました。
    これについては投与量を増やせば補うことができると言われていました。

    ただ海外では「生ワクチン」が普通で、国内では「不活性ワクチン」が一般的です
    から詳細が分からないとなんとも言えないですね。

  • by Anonymous Coward on 2009年10月06日 15時27分 (#1649463)
    女医「あなたが受けるのはこの『新型インフルエンザ予防接種』ですか? それともこちらの『季節性インフルエンザ予防接種』ですか?」
    木こり「いいえ、インフルエンザ予防接種はとても痛いので、どちらも受けたくありません」
    女医「あなたはとても正直者ですね。その正直さに免じて、両方ともして差し上げましょう」

    #いや、ふと思いついてしまったので……
  • 小学生のころ、インフルエンザ予防接種を受けると100%インフルエンザに感染しました。
    当初気が付いてなかったのですが、4年生のころに毎年予防接種後に病休してることに気づき「来年は受けないでみよう」ということになり、それ以降しばらくインフルエンザには感染しませんでした。
    # 風邪はしょっちゅう引いてたけど(^^;

    これって、今回の罹患率の件と関係あるのでしょうか?
    それとも単純に体質?

    そんな経験があるので新型用ワクチンがもし回ってきても受けないつもりですが、この判断は正しいのかな?

    • by Anonymous Coward on 2009年10月06日 16時49分 (#1649497)

      注射で行うワクチンは血中抗体を増加させるもので、上気道粘膜中の抗体を増加させるものではありません。
      ですから重篤化(肺炎など)を防ぐことはできますが、感染自体を防ぐことはできません。
      注射式のワクチンでうつらなくなる訳ではないのです。
      まったく増えない訳ではないのですが、感染しにくくなることを目的としたものではないことに注意。

      上気道粘膜中の抗体を増やすものとして吸入式のワクチンというものがありますが、日本では一般的ではないですね。

      親コメント
      • > 注射で行うワクチンは血中抗体を増加させるもので、上気道粘膜中の抗体を増加させるものではありません。
        > ですから重篤化(肺炎など)を防ぐことはできますが、感染自体を防ぐことはできません。

        なるほどー、感染予防接種 だと思ってたのですが、間違いなのかー。
        てことは私の場合、抗体を作るときに体力が落ちた結果、感染率がむしろ上がっていた、ってことでしょう。
        これなら、体調面などでリンクする部分があるので、腑に落ちます。

        少なくともインフルワクチンに関して言えば、重篤化予防接種でしかないのですね。
        接種ワクチンによって感染率や重篤化率が上がったり下がったり・・・
        インフルワクチンってややこしいなぁ

        # でも、聞いてよかった(^^)

        親コメント
  • by pongchang (31613) on 2009年10月07日 16時34分 (#1650199) 日記
    08/09シーズンのインフルエンザワクチンを接種していた患者の方が、この春からのメキシコ風邪(Pandemic influenza A/H1N1 2009)に73%懸かりにくく (95%信頼区間 34% 〜 89%)、接種して豚インフルエンザに罹患した8名に死亡例はなかったという症例対照研究がBMJに掲載されました。
    Published 6 October 2009, doi:10.1136/bmj.b3928
    Cite this as: BMJ 2009;339:b3928 [bmj.com]
    Partial protection of seasonal trivalent inactivated vaccine against novel pandemic influenza A/H1N1 2009: case-control study in Mexico City
    ワクチンを打っている方が、気を配ってとかいう、交絡因子はあるかもしれないけど。
    • by A.S.Sawamura (26732) on 2009年10月07日 21時37分 (#1650413)
      ワクチン打っている方との対照群は、まったく打っていない群、ですか?
      いや、ホスキンス効果とか言われてしまうと、少し前に打ったのは効果に影響を与えてしまうのかなあ、と素朴な疑問持ってしまって。
      疫学的な話になったときに、その集団の対照群としての正確性が結構重要となると思うので。
      --
      # 無知の知 (主張のみでは、対象を決定できない。) ATLANTiS.
      親コメント
  • 二兎を追うものは一兎もを得ず

    ……とは少し違うか。

    --
    どっちにしろ優先順位最下位
  • 不思議ですね。

    やや不謹慎なきらいはあるのですが、新型インフルエンザの予防接種で、
    季節性インフルエンザの感染リスクが、どう変動するのか、興味があります。

  • by the.ACount (31144) on 2009年10月06日 13時10分 (#1649368)

    なにその制限!
    65 歳未満だから気になるじゃないか。

    --
    the.ACount
    • 高齢者は季節性インフルエンザでも重症化して死亡することもあるからでしょう。
      65歳くらいじゃまだ余裕でピンピンしてるけどね...
      # こういう時こそ「後期高齢者」の出番?

      逆に若い人は死にはしないからかかったっていいだろうみたいな?

  • by Anonymous Coward on 2009年10月06日 13時01分 (#1649351)
    新型より季節性インフルエンザの方が重そうだから、やっぱり季節性インフルエンザの予防接種受けておくかな。
    (今年は例年にもまして「一見さんお断り」の病院が多いそうな)
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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